なぜGoogle広告は成果が出ないのか。運用者が最初に疑う7つの場所
「毎月そこそこの金額を入れているのに、問い合わせが思ったほど増えない」。Google広告の相談で、いちばん多いのがこの一言です。私たちが実際にアカウントを開いて見ていくと、原因は派手なものではなく、たいてい地味な設定の積み重ねでした。今日は、成果が出ないアカウントを開いたときに私が最初に疑う7つの場所を、優先順位の高い順に並べてみます。
先に結論を言っておくと、「広告文をもっと魅力的に」とか「予算を増やせば」という話は、ほとんどの場合いちばん最後です。順番を間違えると、穴の空いたバケツに水を足すことになります。
この記事の要点
- 成果が出ない原因の大半は、派手な施策不足ではなく「計測・検索語句・設定」の地味な問題
- 最優先はコンバージョン計測の確認。ここが壊れたまま何を直しても無駄になる
- 7項目を優先順に点検すれば、慣れれば30分で概況がつかめる
- 広告文の磨き込みは最後。順番を間違えると穴の空いたバケツに水を足すことになる

1. そもそもコンバージョンが正しく計測できているか
成果が出ないと言われたアカウントの2〜3割は、コンバージョン計測そのものが壊れています。サンクスページにタグが入っていない、電話タップを計測していない、フォーム送信が二重にカウントされている。これだと、Googleの自動入札は「どの検索が成果につながったか」を学習できません。運転手に目隠しをして運転させているようなものです。まずはここを疑ってください。
2. 検索語句レポートに、関係ない語が混ざっていないか
管理画面の「検索語句」を1ヶ月分眺めてください。自社と関係のない語、無料を探している語、求人や中古を探している語が並んでいたら、そこに使った金額はほぼ全額が無駄です。部分一致のキーワードを置いたまま除外設定をしていないと、ここが静かに漏れ続けます。
3. キーワードの「気持ち」と広告文がズレていないか
たとえば「税理士 変更」で検索した人に、「創業30年の安心」とだけ書いた広告を出しても刺さりません。その人が知りたいのは「今より乗り換えがラクになるか」です。検索した瞬間の気持ちと、広告文の一行目が握手できているか。声に出して読むとズレに気づきます。
4. 自動入札を、データが足りないのに使っていないか
目標コンバージョン単価(tCPA)のような自動入札は、月に30件くらいのコンバージョンがないと安定しにくいと言われます。週に1〜2件しか取れていない状態で目標値をきつく設定すると、学習が回らず配信が絞られ、さらに件数が減る悪循環に入ります。件数が少ないうちは入札方式の選び方そのものを見直したほうが早いです。
5. ランディングページが広告の約束を裏切っていないか
広告で「最短即日」と言っているのに、ページを開くと小さく「※一部地域を除く」と書いてある。クリックした人はそこで静かに離脱します。広告文とLPの一行目が同じことを言っているか、スマホで実際に押して確かめてみてください。
6. 予算が時間帯・地域で溶けていないか
夜間や、商圏外の地域に配信が流れていないか。BtoBなのに土日に予算の半分が消えている、というのはよくある話です。曜日・時間・地域の内訳は、管理画面で数分あれば確認できます。
7. 最後に、広告文とアセット
ここまで見て初めて、広告文の磨き込みです。見出しが似たり寄ったりになっていないか、サイトリンクや電話番号などのアセットを入れているか。逆に言えば、1〜6を放置したまま広告文だけ直しても、効果は限定的です。
実際にあった、もったいない3つの例
抽象論だと伝わりにくいので、実際に見かけたケースを匿名で紹介します。1つ目は、地域の建設会社さん。問い合わせが増えないと悩んでいましたが、開けてみると配信地域が『日本全国』のまま。施工エリアは県内だけなのに、北海道や沖縄からのクリックに毎月予算の3割が溶けていました。地域設定を県内に絞っただけで、同じ予算で問い合わせが増えました。やったのは設定変更ひとつです。
2つ目は、BtoBのソフトウェア会社。コンバージョン数はそこそこ取れているのに、商談につながらないという相談でした。検索語句を見ると、無料ツールを探している語が大量に混ざっていて、資料請求はされても『無料で使いたい』人ばかり。買う気のある層と情報収集層が、同じキャンペーンでひとまとめになっていたのが原因でした。
3つ目は、もっと単純で、しかし致命的なケース。サンクスページのタグが、サイトのリニューアル時に外れていました。3ヶ月間、コンバージョンがゼロと表示され、自動入札が『成果が出ない』と判断して配信をどんどん絞っていた。実際には問い合わせは来ていたのに、Googleにはそれが見えていなかったのです。
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成果が出ない原因は、たいてい『派手じゃない』
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。原因はどれも、テクニックというより設定や構造の問題です。新しい広告手法を入れる前に、足元の穴をふさぐ。これが、遠回りに見えていちばんの近道です。私が10年近くこの仕事をしてきて、『斬新な施策で一発逆転』した記憶はほとんどありません。地味な詰まりを一つずつ取り除いた先に、数字が戻ってくる。それが現実です。
とはいえ、自分のアカウントを自分で7項目点検するのは、思っているより難しい。理由は2つあります。一つは、毎日見ている画面ほど『見慣れて』しまい、異常を異常と感じなくなること。もう一つは、『これは問題なのか、仕様なのか』の判断に、ほかのアカウントを多く見てきた経験が要ること。土日に配信が少ないのは、BtoBなら正常、ECなら異常。この線引きは、場数がものを言います。
よくある質問
Q. 出稿してどのくらいで成果を判断すべき?
A. 最低でも1ヶ月、コンバージョン数が少ない業種なら2〜3ヶ月は見たいところです。1週間や2週間の数字で『ダメだ』と判断して止めてしまう人が多いのですが、自動入札の学習期間も含めると、それでは早すぎます。ただし、計測が壊れている・地域設定が全国のまま、といった明らかな設定ミスは、期間に関係なく即直してください。これらは『様子を見る』対象ではありません。
Q. 予算が少なくても成果は出せる?
A. 出せます。むしろ予算が少ないときほど、無駄を1円も出さない設計が効きます。狙う地域とキーワードを絞り、買う気の強い語だけに集中させる。広く薄く配信して全方位で負けるより、狭く濃く配信して一点突破するほうが、小予算とは相性がいいです。
この7つは、慣れた運用者なら30分もあればひと通り目視できます。逆に、毎日見ているはずの自社の担当者ほど、見慣れて気づけない場所でもあります。だからこそ、たまには外の目を入れる価値があります。
最後に、いちばん伝えたいことを。成果が出ないアカウントを放っておくと、毎日少しずつ予算が無駄に溶け続けます。月3万円の無駄を半年放置すれば18万円。これは、直していれば取れたはずの問い合わせの数でもあります。『いつか見直そう』のいつかは、たいてい来ません。今日この記事を読んだのを機に、まずは7つのうち1つだけでも開いてみてください。コンバージョンが生きているかの確認なら、5分で終わります。その小さな一歩が、半年後の数字を変えます。
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この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム
複数業種のGoogle広告アカウントを日々運用する現役の広告運用者。アドサプリ(運営:ライムクロス株式会社)は、その運用者があなたのアカウントを実際に開いて診断し、改善手順をレポートで届けるサービスです。
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