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都市の大型デジタルディスプレイ広告のイメージ(Googleディスプレイ広告のDemand Gen統合を表す)

Googleディスプレイ広告のDemand Gen統合はいつから?移行スケジュールとやるべき準備

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Demand Gen最新トレンド

Googleディスプレイ広告のDemand Gen統合はいつから?移行スケジュールとやるべき準備

アドサプリ運営チーム2026.07.21
都市の大型デジタルディスプレイ広告のイメージ(Googleディスプレイ広告のDemand Gen統合を表す)

Googleディスプレイ広告のDemand Gen(デマンド ジェネレーション)統合とは、これまで独立して運用してきたGDN(Googleディスプレイネットワーク)向けキャンペーンを、Demand Genキャンペーンの1つのチャネルとして一本化するGoogleの方針転換のことです。2026年5月26日(米国時間)に公式ブログで発表され、2026年6月から移行ツールの提供が始まり、2027年までに未移行のキャンペーンも自動的に移行される予定と案内されています。

「また大型アップデートか」とため息をつきたくなる気持ちは、よく分かります。ここ数年だけでも、ディスカバリー広告のDemand Gen化、動画アクションキャンペーンの統合と、"引っ越し"が続いてきました。ただ、今回の統合で本当に怖いのは移行そのものではなく、移行の前後で数字を比較できなくなることと、ディスプレイで丁寧に作り込んできた除外設定やフリークエンシー設定が、そのままの形では引き継がれないことだと考えています。この記事では、公式発表ベースのスケジュール整理と、移行前に必ず控えておきたいベースライン数値、崩れやすい設定のチェックリストをまとめます。

この記事の要点

  • 2026年5月26日(米国時間)発表。2026年6月から移行ツールが順次提供され、2027年までに自動移行含め統合完了の予定
  • 移行後も「GDNのみ配信」はチャネルコントロールで継続可能。ただし移行操作は元に戻せない
  • フリークエンシーキャップの手動設定や、キャンペーン単位のプレースメント除外はDemand Genでは従来どおり使えないため、事前の対策が必要
  • 移行前に配信面・頻度・リタゲ比率などのベースライン数値を取っておかないと、移行後の良し悪しを判断できなくなる

1. ディスプレイ広告のDemand Gen統合とは?発表内容の整理

Googleは2026年5月26日(米国時間)、公式ブログで「Google Display Ads is migrating to Demand Gen」と題した記事を公開し、単独のディスプレイキャンペーンを廃止してDemand Genに統合する方針を発表しました。今後、GDNへの配信はDemand Genキャンペーン内の「チャネル」の1つとして扱われます。

誤解されやすいのですが、GDNという配信ネットワーク自体がなくなるわけではありません。なくなるのは「ディスプレイキャンペーン」という管理画面上の"箱"のほうです。Demand Genのチャネルコントロールで配信先を選べるため、YouTubeやDiscover、Gmailに広げず、従来どおりGDNのみに配信し続けることも可能とされています。Googleは、Demand GenにGDNチャネルを追加した広告主は平均9.5%のROI改善が見られたと発表していますが、これは平均値であり、すべてのアカウントに当てはまるとは限りません。

Demand Genに移ることで、類似セグメントによるオーディエンス拡張や動画フォーマット、AIによるクリエイティブ生成など、ディスプレイ単体にはなかった機能が使えるようになる一方、後述するとおりディスプレイ特有の細かい制御は一部手放すことになります。「機能が増える代わりに、手綱が少し短くなる」統合だと捉えるのが実態に近いと思います。

背景には、P-MAXやAI Maxと同じ「チャネル横断のAI最適化に寄せていく」というGoogleの一貫した流れがあります。検索側で進む同様の動きはAI MaxとDSA移行の記事でも解説していますが、ディスプレイもいよいよその波に入った、というのが今回の発表です。

2. 移行スケジュール:2026年6月開始、2027年完了予定

公式ヘルプと発表内容を整理すると、スケジュールは次の3段階です。

  • 2026年6月〜:移行ツールがアカウントに段階的に提供開始。広告主は自分のタイミングで「Demand Genにアップグレード」を実行できる
  • 今後(時期未定):新規のディスプレイキャンペーン作成が順次できなくなり、Demand Gen内でのみ作成可能に
  • 〜2027年:移行されずに残ったキャンペーン(有効・一時停止で直近に費用が発生していたもの)は自動移行され、統合が完了する予定

つまり2026年7月時点は、「待てば自動でやってくれる」と「自分で段取りして移行する」の分かれ道にいる状態です。注意したいのは、移行操作は一度実行すると元のディスプレイキャンペーンには戻せないと案内されている点です。自動移行に任せる場合でも、いつ移行されるかを自分でコントロールできないため、繁忙期の直前に勝手に移行される、といった事態は避けたいところです。多くの場合、閑散期に自分のタイミングで移行するほうが、検証も立て直しもしやすいと言われます。なお、移行ツールの表示時期はアカウントによって差があるため、管理画面にまだ出ていなくても慌てる必要はありません。

Googleディスプレイ広告からDemand Genへの統合スケジュール。2026年5月26日発表、2026年6月移行ツール提供開始、その後新規作成停止と自動移行、2027年統合完了予定の4ステップと、移行前のベースライン記録の重要性を示した図

3. 移行前に取るべきベースライン数値:比較材料は今しか残せない

移行ツールは入札戦略(コンバージョン最大化、目標CPA、目標ROASなど)やリマーケティングリスト、レスポンシブディスプレイ広告などを引き継ぎ、過去42日分のパフォーマンス履歴も引き継がれるため学習期間が短く済む、と報じられています。とはいえ、キャンペーンの"箱"が変わる以上、移行後のレポートは条件が変わった状態の数字です。移行前の数字を控えておかない限り、「Demand Genになって良くなったのか悪くなったのか」を判断する材料が永久に手に入りません。

最低限、直近90日(季節性が強い商材なら前年同期間も)について、次をスプレッドシートに書き出しておくことをおすすめします。

  • 基本指標:費用・表示回数・クリック・CV・CPA(またはROAS)・CPC・CPM・CVR
  • 配信面レポート:費用上位のプレースメントと、その費用構成比(アプリ面が何%か、特定サイトに偏っていないか)
  • 頻度とリーチ:ユニークリーチと平均表示頻度。ディスプレイでフリークエンシーキャップを設定していた場合はその値も
  • オーディエンス構成:リマーケティング経由と新規ユーザーのCV比率・CPA差
  • デバイス比率:入札単価調整を使っていた場合、モバイル/PC/タブレットの費用とCPA
  • ビュースルーコンバージョン:ディスプレイは表示経由の間接効果が語られやすい枠です。クリック経由CVとビュースルーCVを分けて控えておくと、移行後の「増えたように見えるCV」の中身を確かめられます

ポイントは、管理画面のレポートは仕様変更で遡れなくなることがあるため、画面のスクリーンショットとCSVの両方で残しておくことです。地味な作業ですが、移行後に代理店や社内へ説明する際の唯一の客観材料になります。

こうした「移行前後の突き合わせ」は、P-MAXで培われたやり方がそのまま使えます。詳しくはP-MAXのチャネル別レポートの記事も参考にしてください。

4. 崩れやすい設定チェックリスト:配信面除外・フリークエンシー・リタゲ

今回の統合で実務上いちばん引っかかりやすいのが、この3系統です。Demand Genはディスプレイと思想が違うため、「同じ設定項目が存在しない」ものがあります。代理店に運用を任せている場合も、この3点は発注側が状況を把握しておきたい項目です。月次レポートに「移行前後の設定差分」を1枚入れてもらうよう依頼しておくと、あとで揉めにくくなります。

配信面(プレースメント)除外

公式FAQでは、トピックとプレースメントの除外はキャンペーン単位・広告グループ単位では一般提供されないとされています。ディスプレイで積み上げてきたキャンペーン単位の除外リストは、そのままの粒度では効かなくなる可能性が高いということです。対策は、移行前に既存の除外プレースメントを書き出し、アカウント単位のプレースメント除外リストとコンテンツ適合性設定に移し替えておくこと。アカウント単位なら検索以外の配信全体に適用できます。

フリークエンシーキャップ

Demand Genでは表示頻度は自動制御となり、手動のフリークエンシーキャップは設定できないとされています。ブランド毀損を避けるために「同一ユーザー1日3回まで」のような制御をしていたアカウントは、その"守り"が外れます。移行後しばらくは平均表示頻度のモニタリングを日次に近い頻度で行い、異常な偏りが出ていないかを確認するのが現実的な落とし所です。

リタゲ・オーディエンス設定

リマーケティングリストやカスタムオーディエンス、カスタマーマッチは引き継がれますが、統合オーディエンス(複数条件のAND/NOT組み合わせ)は非対応とされています。「リタゲリストから購入者を除外し、かつ特定セグメントに絞る」といった複雑な組み合わせを使っている場合は、移行後にどう再現するか(あるいは割り切るか)を先に決めておく必要があります。リスト自体の棚卸しには除外設計の考え方と同じで、「なぜこの除外を入れたのか」の理由をメモに残しておくと再構築が楽になります。

入札まわり

個別クリック単価は目標CPCへ、視認範囲のインプレッション単価(vCPM)やコンバージョン単価での支払いは非対応となり、デバイスなどの入札単価調整や季節性の調整も使えなくなるとされています。手動入札で細かく制御してきたアカウントほど、移行後の挙動が変わりやすい点は覚悟しておきたいところです。

5. 移行ツールでエラーになりやすいポイントと当日の段取り

移行ツールは「キャンペーン選択→編集→Demand Genにアップグレード」の流れで実行できますが、事前準備が不足しているとエラーで止まる、あるいは意図しない形で移行されると報告されています。代表的なつまずきは次のとおりです。

  • ビジネスロゴ未設定:レスポンシブディスプレイ広告にロゴがないと移行ツールがエラーを返すと報告されています。ロゴ・画像・(可能なら)動画アセットを事前に揃えておく
  • 共有予算:非対応のため、個別予算に切り替えてから移行する。移行当日は消化済み予算がリセットされる点にも注意
  • 非対応アセット:リードフォームや電話番号アセット、免責条項付き広告は事前に外しておく
  • 移行直後の触りすぎ:予算・入札の変更は1回あたり±15%以内にとどめ、1週間ほど様子を見ることが推奨されています。評価自体は4週間程度の窓で行うのが無難です

移行直後は学習の再調整が入りやすいため、tCPAの学習期間と同じ感覚で「触りたくなるのを我慢する期間」を最初からカレンダーに入れておくと、余計な悪化を防ぎやすくなります。

※ 自分のアカウントの場合はどうか気になる方へ ― 実際の診断レポートのサンプル(無料)を用意しています。

6. 実際にあった、もったいない例

あるBtoC商材のアカウントでは、過去の担当者が2年がかりで育てた約400件のプレースメント除外リストが、ディスプレイキャンペーン単位に設定されていました。担当者が交代した際に「なぜ除外したか」の記録が引き継がれておらず、リストはそのまま塩漬けに。もしこの状態で自動移行を迎えていたら、除外の中身を検証する機会がないまま、キャンペーン単位の除外が効かない世界に移ることになっていたはずです。

幸い移行前の棚卸しで気づけたため、除外リストを費用実績と突き合わせて精査したところ、いまも除外価値があるのは3分の1程度で、残りは既に配信実績のないプレースメントでした。有効な分だけをアカウント単位の除外リストへ移し替え、あわせて移行前90日のベースライン表を作成。この作業自体は2〜3時間で終わっています。「移行の作業」よりも「移行前にしかできない記録と棚卸し」のほうが価値が大きい、という典型例だと感じます。派手な新機能の検証より、こういう地味な足元の整理が、移行後の数字を守ってくれる場面は多いものです。

よくある質問

Q. 自分で早めに移行すべきですか?それとも自動移行を待つべきですか?

A. どちらが正解とは言い切れませんが、繁忙期をコントロールしたいなら自分のタイミングでの移行に分があります。自動移行は時期を選べず、移行操作は元に戻せないとされているためです。閑散期を選び、ベースライン記録と除外リストの移し替えを済ませたうえで実行し、その後4週間程度は評価期間として大きな変更を避ける、という段取りが現実的です。

Q. 移行後もGDNだけに配信し続けることはできますか?

A. 可能とされています。移行されたキャンペーンではGDNチャネルがデフォルトで有効になっており、チャネルコントロールでYouTubeやDiscover、Gmailなどを追加するかどうかを選べます。ただしフリークエンシーキャップの手動設定など、ディスプレイ時代と同じ制御がすべて残るわけではないため、「配信面は同じでも運用条件は変わる」前提でモニタリングすることをおすすめします。

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この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断で得た知見をもとに執筆しています。

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