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スマートフォンでTikTokの検索結果を眺める若いユーザーの手元のイメージ

TikTok検索広告とは?SNS内検索に広告を出す新しい選択肢

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TikTok検索広告とは?SNS内検索に広告を出す新しい選択肢

アドサプリ運営チーム2026.08.26
スマートフォンでTikTokの検索結果を眺める若いユーザーの手元のイメージ

自社の商品名やカテゴリ名が、TikTokの中でどれだけ検索されているか。考えたことがある広告主は、まだ少数派だと思います。私たちは長らく「検索=Google」を前提に広告を設計してきました。ところが若い世代を中心に、飲食店探しやコスメの比較をSNSの検索窓で済ませる行動が広がり、TikTokはその受け皿の1つになっています。そして媒体側も、この検索行動を収益化する広告商品を整えてきました。

それがTikTokの検索連動型広告、Search Ads Campaignです。検索結果面に、指定したキーワードで広告を出せる仕組みです。米国から順次提供が広がっています。日本でも一部は使えます。「SNS内検索に広告を出す」という選択肢は、もう海の向こうの話ではありません。この記事では、検索行動のデータ、Search Ads Campaignの仕組み、日本での提供状況、そして出稿する側の実務の勘所を順に見ていきます。オーガニック側の対策(ソーシャル検索でどう見つけてもらうか)は既存の解説記事に譲ります。ここでは広告を出す側に絞ります。

この記事の要点

  • Adobe Expressの2026年2月の米国調査では、TikTokを検索に使った経験がある消費者は49%、Z世代では65%に達する
  • Search Ads CampaignはTikTokの検索結果面に出すキーワード連動型広告。2024年9月に米国で提供が始まり、対象国が拡大中
  • 日本はトラフィック目的のみ利用可能(2026年8月時点の公式ヘルプ)。CV計測を軸にした設計はまだ組みにくい
  • 検索連動といってもGoogle広告の移植では機能しない。動画クリエイティブと検索意図の掛け算で考える必要がある

1. 「検索はSNSで」はどこまで本当か

まずデータから確認します。Adobe Expressが2026年2月に公表した米国消費者807名の調査では、TikTokを検索エンジンとして使った経験がある人は49%で、2024年の41%から増えました。世代別ではZ世代が65%に達します。検索の入口としてのTikTokは、少なくとも米国では特別な行動ではなくなっています。

一方で、この数字は「Googleが置き換えられた」ことを意味しませんし、同じ調査で、検索でGoogleよりTikTokを好むと答えたZ世代は4%にとどまり、2024年の8%から半減しています。Googleの代替として台頭しているのはむしろChatGPTで、TikTokの役割は「雰囲気や使用感を動画で確かめる検索」に絞られてきた、と読むのが実態に近いでしょう。飲食、美容、旅行、ファッション。文字より映像で判断したい領域で、TikTok内の検索は使われています。日本の若年層でも同様の使い分けが定着しつつあると言われており、これらの業種の広告主にとって、TikTokの検索結果面は無視しにくい面になってきました。

2. Search Ads Campaignの仕組み

TikTokの検索広告には段階がありました。最初に用意されたのは、通常のフィード向けキャンペーンの配信面を検索結果にも広げるSearch Ads Toggleというスイッチです。導入は数年前。キーワードは指定できません。媒体任せで検索面にも出る、という位置づけでした。

これを本格的な検索連動型に進化させたのがSearch Ads Campaignです。2024年9月に米国で提供が始まりました。広告主が自らキーワードを指定して、TikTokの検索結果面に広告を出せるようになりました。仕組みはGoogle広告のリスティングに似ています。キーワードを登録します。マッチタイプの考え方に相当する拡張があり、意図しない検索語句への表示を防ぐ除外キーワードも設定できます。掲載形式は動画広告のほか、複数画像を横に並べるカルーセル、EC向けのカタログ連携があり、検索結果に自然に混ざる形で表示されます。

Google広告の経験者ほど「検索キーワードに入札するならノウハウは流用できそうだ」と感じるはずです。決定的な違いが1つあります。クリエイティブが動画である点です。検索意図に合ったテキストを書けば済むリスティングと違い、TikTokでは「そのキーワードで調べている人が見たくなる動画」を用意しなければ、表示されてもスルーされます。検索連動の設計力と、ショート動画の制作力。この2つの掛け算が要求されるのが、TikTok検索広告の実務的な特徴です。

課金はクリック課金が基本です。キャンペーンや広告グループに日予算を設定して運用します。広告には広告であることを示すラベルが付きます。オーガニックの検索結果に紛れて誤認させる形にはなりません。管理画面の構造や入稿の流れは通常のTikTok広告と共通なので、すでにTikTokでフィード配信をしている広告主なら、追加の学習コストは小さく済みます。

3. 日本での提供状況:トラフィック目的のみ

日本の広告主が今使えるのかどうか。TikTok for Businessの公式ヘルプにあるSearch Ads Campaignの提供状況ページ(2026年8月時点)を、キャンペーンの目的別に整理すると次のようになります。

キャンペーンの目的 提供されている国 日本での利用
トラフィック(サイトへの誘導) 米国・カナダ・英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・メキシコ・日本など 利用できる
ウェブコンバージョン 提供国に日本はまだ含まれていない 使えない
リード獲得 米国のみ 使えない

つまり日本では「検索結果からサイトに誘導する」ことはできても、「CV(コンバージョン、問い合わせや購入などの成果地点のこと)を目標にした最適化」を検索キャンペーンで組むことはできない段階です。この制約は実務上小さくありません。CV最適化が使えない以上、媒体の自動入札にCPA(CV1件あたりにかかった広告費)を追わせる設計ができず、成果はクリック後の行動を自社の計測側で追って評価する必要があります。提供状況は段階的に広がってきた経緯があります。ヘルプページの記載は出稿前に必ず最新を確かめてください。

予算の出どころも先に決めておくと動きやすくなります。原資は既存予算です。新しい媒体のテスト費用は、追加予算を稟議に上げて通すより、いまのアカウントに残っている無駄を止めて捻出するほうが速く、社内の合意もほとんど要りません。効果の薄いキーワード、放置された除外設定、成果が出ないまま回り続けている配信面。ここを一度整理すれば、月数万円のテスト枠は既存の予算の中から出てきます。厄介なのは、その無駄ほど毎日同じ管理画面を見ている人には見つけにくく、慣れた運用者ほど「いつもの数字」として素通りしてしまう点です。

※ その無駄がどこに残っているかを外の目で洗い出したい方へ ― 月次の広告アカウント診断「アドサプリ」の診断レポートのサンプル(無料)で、見直しの観点をご確認いただけます。

4. 出稿側の実務:何から手を付けるか

実際に試すときの手順を、運用者の目線で3つに絞ります。

手順1:TikTok内の検索需要を確かめる

最初にやるべきは、キーワードプランナーを開くことではなく、TikTokの検索窓に自社のカテゴリ名や悩みワードを打ち込むことです。サジェストに何が出るか、検索結果にどんな動画が並ぶか、再生数はどの程度か。ここで関連動画がほとんど出てこないなら、そのキーワードの検索需要自体が薄いということです。広告を出しても母数がありません。逆に、ハウツー動画やレビュー動画が多数並ぶキーワードは、広告の入り込む余地がある面です。

手順2:検索意図に合わせた動画を用意する

流用は効きません。フィード用に作ったバズ狙いの動画を検索面にそのまま出しても、たいてい素通りされます。検索している人は答えを探しているので、冒頭の数秒で「このキーワードの答えがこの動画にある」と分かる構成が向きます。例えば「毛穴 下地」で検索する人には、ダンスでも世界観でもなく、使い方と仕上がりを見せる動画です。検索語句をそのまま画面のテロップに入れる、比較や手順で構成する。リスティングの広告文に近い発想が使えます。

手順3:少額で試し、検索語句とクリック後を確認する

日本で使えるのはトラフィック目的のみなので、評価設計を先に決めておきます。パラメータ付きURLでアクセス解析側に流入を記録する。クリック単価、サイト到達後の直帰やCVの有無を週次で見る。管理画面では、どんな検索語句に表示されたかを確認し、ずれた語句を除外していく。この地味なサイクルはリスティング広告の検索語句の手入れと同じです。ここを回すかどうかで少額テストの学びの量が変わります。まずは月数万円程度からです。動画2〜3本×キーワード数十個の小さな構成で始めるのが現実的です。

評価の物差しについても補足します。CV最適化が使えない以上、CPAだけで判断すると「まだ判断材料がない」まま終わりがちです。中間指標として、検索結果面でのクリック率、動画の視聴完了率、サイト到達後のエンゲージメント(滞在や回遊)を並べて、フィード面の配信や他媒体の同予算枠と比べてください。特にクリック率は、検索意図とクリエイティブが噛み合っているかを示す最初のシグナルで、ここが極端に低いキーワードは動画を差し替えるか、キーワード自体を落とす判断になります。1〜2カ月・数万円の実験で「答えを出す」のではなく、「続ける価値のあるキーワードと動画の組み合わせを2〜3個見つける」ことを目標に置くと、テストの設計がぶれません。

5. 位置づけの整理:どの広告主が検討すべきか

TikTok検索広告は、現段階では「全員がやるべき施策」ではありません。検討に値するのは、①ビジュアルで比較される業種(美容・食・旅行・アパレル・ガジェットなど)で、②ターゲットに10〜30代が含まれ、③すでにTikTokかショート動画の運用資産が何かしらある広告主です。この3つがそろわないなら、既存の検索広告とMeta広告の改善に予算を使うほうが、多くの場合は合理的です。

見落とされがちな論点として、指名検索の防衛もあり、自社のブランド名や商品名がTikTok内で検索されるようになると、その検索結果面は競合にとっても広告を出せる面になります。Google検索で指名キーワードへの競合出稿が問題になるのと同じ構図が、SNS内検索でも起こり得るということです。自社名のTikTok内検索が目に見えて増えている広告主は、攻めの出稿とは別に、指名検索面で自社が不在になっていないかを確認しておく価値があります。確認は簡単です。自社名と主力商品名をTikTokで検索し、最上部に何が表示されるかを月に一度見るだけで、競合や無関係なレビュー動画が並んでいるようなら、対応を検討する材料になります。

逆に条件がそろう広告主にとっては、競合がまだ少ない検索面に先に立てるという、リスティング広告の初期に似た妙味があります。Googleの検索結果で戦うキーワードの一部が、TikTokの中では手つかずのまま残っている。その非対称性こそが、いま検討する理由です。ただ、気づくのは簡単です。判断が要るのはその手前で、先ほど挙げた3条件を自社が本当に満たしているのか、既存配信のどこを削ればテスト枠を作れるのかという問いは、同じアカウントを毎月見ている人ほど答えが甘くなります。自分の設定を自分で客観視する構造には限界があるので、媒体を1つ増やす判断の前に、いまの配信が外からどう見えているかを一度通しておく価値があります。

※ 媒体を足す前に、いまのGoogle広告・Meta広告の検索語句や除外設定が手入れされているか気になる方へ ― 「アドサプリ」は読み取り専用の権限で拝見します。実際の診断レポートのサンプル(無料)はこちらです。

よくある質問

Q. TikTok検索広告とGoogle広告のリスティングは、どちらを優先すべきですか?

A. 多くの広告主にとって優先は引き続きGoogle広告です。検索の母数と、CV目的の最適化が使える点で、成果の土台を作りやすいためです。TikTok検索広告は、日本ではトラフィック目的しか使えない段階なので、Googleの検索広告が回っている広告主が、若年層の指名検索やカテゴリ検索を先回りする追加施策として試す位置づけが現実的です。

Q. 動画を作る体制がなくても出稿できますか?

A. 出稿自体は可能ですが、成果は動画の質に大きく左右されます。作り込んだ映像である必要はなく、スマートフォン撮影の解説動画やレビュー風動画で足りる場面も多いものの、検索意図に合わせた構成を考える工数は必要です。まったく動画資産がない場合は、まずオーガニック投稿で反応の取れる型を見つけてから、広告に載せる順番を勧めます。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

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