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検索窓とSNSアイコンが並び、検索の入口が分散する様子を表したイメージ

ソーシャル検索とプラットフォーム可視性:Platform Properties登場が示す変化

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ソーシャル検索とプラットフォーム可視性:Platform Properties登場が示す変化

アドサプリ運営チーム2026.08.17
検索窓とSNSアイコンが並び、検索の入口が分散する様子を表したイメージ

「若い人は検索の代わりにTikTokやInstagramで調べる」。数年前から言われてきた話ですが、正直なところ「本当にそこまでか?」と半信半疑だった方も多いはずです。ところが2026年、疑いを持ちにくい証拠が出てきました。ほかでもないGoogleが、Search ConsoleでSNSコンテンツの検索パフォーマンスを測る機能を全ユーザーに開放したのです。

2026年7月末、Google Search Consoleの「プラットフォーム プロパティ(Platform Properties)」がグローバル展開され、Instagram・TikTok・X・YouTubeのプロフィールがGoogle検索でどれだけ表示・クリックされているかを、自社サイトと同じ物差しで確認できるようになりました。Googleが公式に「SNSアカウントも検索の資産だ」と認めた格好です。ソーシャル検索とは、SNSのアプリ内で店舗や商品、行き先を調べる行動のことで、検索の入口がGoogleの外へ広がっている現象を指して使われます。この記事では、この機能の中身と、背景にあるソーシャル検索・AI検索の広がりを整理し、日本の広告主が何をすべきかを考えます。

この記事の要点

  • Search ConsoleのPlatform Propertiesが2026年7月末にグローバル展開。Instagram・TikTok・X・YouTubeのGoogle検索での表示回数・クリック・検索クエリを確認できる
  • 背景にはソーシャル検索の定着。Adobe Expressの2026年調査では米国消費者の49%がTikTokを検索に使った経験があると回答(Z世代は65%)
  • AI検索も外部データの取り込みを加速。OpenAIは2026年7月23日にYelpとの提携を発表し、ChatGPTの回答に店舗のレビューが表示されるようになった
  • 検索の入口が「自社サイト1本」から「サイト+SNS+AIの答え」に分散。日本の広告主も、SNSプロフィールと投稿を検索資産として整備し、計測に組み込む段階に来ている

1. Platform Propertiesとは:SNSアカウントがSearch Consoleの計測対象になった

Google検索セントラルの公式ブログは2026年7月、プラットフォーム プロパティのグローバル展開と、SNS・動画コンテンツの検索パフォーマンスに関する新ガイドの公開を発表しました。7月上旬から一部のユーザーに順次提供されていた機能が、7月29日付で全世界のSearch Consoleユーザーに開放された形です。

できることはシンプルです。自分が運用するInstagram・TikTok・X・YouTubeのアカウントをSearch Consoleにプロパティとして登録すると、そのアカウントのコンテンツがGoogle検索でどれだけ表示され、クリックされ、どんな検索クエリで見つかっているかを確認できます。これまで自社サイトに対してしか見られなかった「表示回数・クリック数・クエリ」というSearch Consoleの基本レポートが、SNSアカウントにも適用されるイメージです。

地味な機能追加に見えて、意味は小さくありません。Googleは近年、検索結果にSNSや動画のコンテンツを積極的に混ぜてきました。短尺動画のカルーセル、ディスカッションと掲示板、プロフィールの表示。その流れの延長で、「あなたのSNS投稿はGoogle検索の検索結果面での資産です。だから計測手段を提供します」と公式に宣言したわけです。検索エンジン最適化の対象が、自社サイトの外へ広がったことを、Google自身が制度として認めたと言えます。

実務的な注意点も先に挙げておきます。この機能は2026年7月7日に段階的な提供が始まり、7月29日に「全世界のすべてのユーザーが利用可能になった」と公式ブログで案内されました。フォロワー数などの利用条件は公式ヘルプに記載がなく、規模を問わず使えます。ただし公式ガイドが「各アカウントを個別に追加して所有権を確認する」と書いているとおり、確認作業はアカウント単位です。4媒体を運用しているなら4回、担当クライアントが5社あれば20回。地味に手間がかかる部分なので、最初にまとめて済ませておくほうが結果的に速く済みます。

データの範囲にも制約があります。集計されるのはGoogle検索・Discover・Googleニュース経由の数字であり、Instagram内の検索やTikTok内の検索は含まれません。YouTubeの再生リストのページは再生リスト自体の数字であって、そこに含まれる動画の合計ではない点も、レポートを読むときに取り違えやすいところです。SNS内部の検索は各媒体のインサイトで、Google検索からの発見はSearch Consoleで。二つを分けて見る前提で使えば、数字の読み違いは避けられます。

2. 背景1:ソーシャル検索はどこまで広がっているか

機能の背景にあるのは、検索行動そのものの変化です。米国の数字を見てみます。Adobe Expressが2026年2月に実施した調査(米国消費者807名対象)では、TikTokを検索エンジンとして使った経験がある人は49%で、2024年の同調査の41%から増加しました。世代別ではZ世代が65%、ミレニアル世代が49%と、若い層ほど高くなっています。ただしこの調査の回答者はミレニアル世代が53%、Z世代は15%と偏りがあり、Z世代の数字は母数が小さい点は割り引いて読む必要があります。

ただし、この数字は正確に読む必要があります。同じ調査で「GoogleよりTikTokを好む」と答えたZ世代は4%に過ぎず、最も役立つ検索ツールとしてはGoogleを挙げる人が大多数でした。つまり実態は「Googleが捨てられた」のではなく、「目的によって検索の場所を使い分けるようになった」です。飲食店や旅行先の雰囲気、コスメの使用感はTikTokやInstagramで、事実確認や比較検討はGoogleで、という具合に、検索が用途別に分業化しています。

日本でも、飲食・美容・旅行・ファッションといったビジュアルで判断する領域を中心に、同じ使い分けが定着しつつあると言われます。ハッシュタグ検索や保存機能を前提にした「後で見返すための検索」など、SNSならではの検索行動も生まれています。自社の見込み客がどこで調べているかは、業種によってかなり違う。だからこそ、Platform Propertiesのような計測手段に価値が出てきます。

3. 背景2:AI検索も「外部の声」を取り込み始めた

もう1つの流れがAI検索です。OpenAIは2026年7月23日、Yelpとの提携を発表しました。米Axiosが報じたもので、ChatGPTでレストランや店舗について尋ねると、Yelpのレビューや評価、写真が回答に表示されるようになります。AIの回答が、一般論ではなく実在の店の評判を根拠として引用するようになったわけです。

これはローカルビジネスにとって示唆的です。ユーザーが「近くでおすすめの歯医者は?」とAIに聞いたとき、AIが参照するのは自社サイトだけではなく、レビューサイトやSNS上の評判を含む「外部の声」です。Google検索でもAI Overviewsが同様に外部ソースを要約して答えます。つまり検索の答えは、自社が直接コントロールできない場所のデータからも作られる。プロフィール情報の正確さ、レビューへの対応、第三者からの言及。これらが検索可視性の構成要素になってきました。

「検索の入口が分散し、答えの材料も分散する」。ソーシャル検索とAI検索は、別々の現象に見えて同じ方向を向いています。自社サイトのSEOだけを磨いていれば見つけてもらえた時代が、静かに終わりつつあるということです。

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4. 広告運用への影響:指名検索とクリック計測が変わる

広告の話に引きつけて考えます。影響は主に2つあります。

1つ目は、指名検索の入口が増えることです。SNSやAIで商品を知ったユーザーは、後からGoogleで社名や商品名を検索します。このとき検索結果に出てくるのが、自社サイトだけでなくInstagramのプロフィールやYouTubeチャンネルなら、受け皿は多いほうが有利です。逆に、SNSのプロフィールが放置され古い情報のままなら、せっかくの指名検索で不信感を与えかねません。指名検索広告の着地先とあわせて、検索結果面全体の「見え方」を設計する視点が要ります。

2つ目は、成果の見えにくさが進むことです。SNSで認知され、AIで比較され、最後に指名検索で流入する。この経路では、最初の接点はどのラストクリック計測にも残りません。広告の管理画面上は「指名検索のCPAが良い」ようにしか見えず、上流のSNSやコンテンツの貢献が過小評価されます。Platform Propertiesは、この見えない上流の一部(Google検索経由のSNS表示・クリック)を可視化してくれる、数少ない無料の計測手段です。

この見えにくさは、検索行動全体の変化とも重なります。米SparkToroが2026年6月9日に公表した調査では、2026年1〜4月の米国のGoogle検索のうち68.01%がクリックなしで終わったと報告されました。2024年の60.45%から7.56ポイントの上昇です。AI Overviewsが表示される検索ではクリック率が6割近く下がる一方、AI Modeへ遷移した検索は0.34%にとどまったともされています。新しい形式に慌てて全部対応するより、まず「クリックの手前」の指標を見る習慣を作るほうが実利があるという読み方ができます。答えが検索結果の中で完結する分、サイトのアクセス解析には何も残らないからです。

5. 日本の広告主の準備:今週からできる3つ

月予算100万円規模の広告主が、今すぐ着手できることを3つに絞ります。

準備1:Platform Propertiesに自社SNSを登録する

Search Consoleで自社のInstagram・TikTok・X・YouTubeアカウントをプロパティ登録し、まず現状の数字を見てください。「自社のSNSがGoogle検索でどんなクエリで表示されているか」は、登録するだけで手に入る一次データです。想定外のクエリで表示されていることも多く、コンテンツ企画のヒントにもなります。無料なので、やらない理由がありません。

準備2:SNSプロフィールを「検索の着地ページ」として点検する

プロフィール文、リンク、固定投稿、営業情報。検索から初めて来た人が見て、事業内容と信頼性が伝わるか。LPをチェックするのと同じ目線でSNSプロフィールを点検します。検索結果に出る以上、SNSアカウントはもう「ファン向けの場所」だけではありません。

準備3:指名検索数を定点観測する

SNSやAI経由の効果は、多くの場合、指名検索の増減に表れます。Search Consoleで自社名・商品名のクエリの表示回数を月次で記録しておくと、上流施策の効き目を推し量る簡易な物差しになります。完璧なアトリビューションを目指すより、この程度の定点観測を続けるほうが、実務では役に立ちます。

記録の粒度は月次で十分です。Search Consoleの検索パフォーマンスで、クエリに自社名やサービス名を含む条件のフィルタをかけ、表示回数とクリック数を月ごとに書き出す。SNSの発信本数や広告の出稿額と並べておくと、上流の施策が動いた月に指名検索が動いたかどうかを目で追えます。3カ月分たまれば、社内で予算を説明するときの材料になります。

よくある質問

Q. Platform Propertiesを使うのに費用や特別な条件はありますか?

A. Search Consoleの機能なので無料です。対象プラットフォーム(Instagram・TikTok・X・YouTubeの4種類)のアカウントの所有確認を行えば、Google検索での表示回数・クリック数・検索クエリを確認できます。2026年7月末のグローバル展開により、日本のアカウントでも利用できます。データはGoogle検索経由の数字であり、各SNS内部の検索は含まれない点だけ注意してください。

Q. ソーシャル検索が広がると、リスティング広告やSEOはやらなくてよくなりますか?

A. そうはなりません。米国の調査でも、事実確認や比較検討ではGoogleが最も使われる検索ツールであり続けており、指名検索や顕在ニーズを受け止める場所としての検索広告・SEOの価値は残ります。変わったのは、認知の入口がSNSやAIに分散したことです。既存の検索施策を土台に、SNSプロフィールの整備と可視性の計測を「足す」のが現実的な対応です。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

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