コンテンツまでスキップ
不承認と表示された広告審査の画面を前に、業種の規制資料を確認する担当者のイメージ

制限業種の広告審査に通らない?医療・金融・人材の認証と対処法

アドサプリ運営チーム
アドサプリ運営チーム
HOMEブログ / 制限業種の広告審査に通らない?医療・金融・人材の認証と対処法
Google広告運用改善

制限業種の広告審査に通らない?医療・金融・人材の認証と対処法

アドサプリ運営チーム2026.08.30
不承認と表示された広告審査の画面を前に、業種の規制資料を確認する担当者のイメージ

「もう3回も文面を直して出したのに、また不承認です。うちの業種は、そもそもGoogleに広告を出させてもらえないんでしょうか」。クリニック、健康食品、貸金や保険、人材紹介。こうした業種の方から届く相談には、共通した疲れがにじんでいます。何が悪いのか説明が読み解けないまま、審査落ちだけが積み上がっていく状態です。

先に全体像を言うと、これらの業種は「広告を出せない」のではなく、「出すために追加の条件がある」業種です。Google広告のポリシーでは全面禁止のカテゴリと、条件付きで許可される制限カテゴリが分かれており、医療・金融・人材の多くは後者に入ります。条件とは、事前の認証や資格確認、そして業種特有の表現ルールの2つです。追加の条件が具体的に何を指すのかは、業種ごとに中身が違います。

この記事の要点

  • 医療・金融・人材などの多くは「禁止」ではなく「制限」カテゴリ。条件を満たせば配信できる
  • 金融サービスは、規制当局への登録を確かめる「適格性確認」が前提。対象は29の国・地域に及び、日本は現時点で一覧に含まれない
  • 審査落ちの原因は「認証の欠如」と「表現の違反」の2系統。どちらで落ちたかをまず切り分ける
  • 表現ルールの背後には薬機法・医療広告ガイドラインなどの法令がある。判断に迷う表現は専門家の確認を推奨

1. 「不承認」には2種類ある:禁止と制限は違う

Google広告のポリシーは、大きく4つの区分でできています。①禁止コンテンツ(偽造品や危険な商品など、そもそも広告にできないもの)、②禁止されている行為(審査の回避やデータの不正利用など)、③制限付きのコンテンツと機能(条件付きで許可されるもの)、④編集と技術要件(広告文の体裁やリンク先の品質)です。

業種が理由で審査に落ちる場合、多くは③に該当しています。制限カテゴリは「社会的・法的に配慮が必要だから、資格や表現に条件を付けたうえで許可する」という位置づけで、禁止とはまったく扱いが違います。まずここを取り違えないでください。「制限業種だから無理」とあきらめて広告自体をやめてしまう方と、条件を1つずつ満たして普通に配信している同業他社が、実際に同じ市場に並んでいます。

不承認の理由は、管理画面の広告一覧で該当広告の「ステータス」列に表示され、ポリシー名を選ぶと詳細の説明ページに飛べます。アカウント全体の状況は「ツール」内のポリシーマネージャーで一覧できます。対処はこのポリシー名の特定から始まります。理由が「認証が必要」系なのか「表現の違反」系なのかで、やるべきことが全く変わるからです。

2. 制限されるカテゴリの全体像

制限付きコンテンツの代表的なカテゴリを、確認すべき条件とあわせて一覧にします。細部は変わることがあるため、最終的には管理画面から飛べる最新のポリシーページで確認してください。

カテゴリ 主な条件 関わる主な法令・制度
ヘルスケア・医薬品 処方薬関連の語句は制限。オンライン薬局などは認定が必要 薬機法、医療広告ガイドライン
金融商品・サービス 適格性確認(規制当局への登録などの確認)が前提 金融商品取引法、貸金業法など
ギャンブル・ゲーム 国ごとの許可制。日本では公営競技など対象が限定的 各国の賭博関連法
アルコール 未成年向け配信の禁止など表現・配信先の条件付き 業界の自主基準など
人材・求人関連 差別的な限定表現の禁止。事業許可の明示が実務上求められる 職業安定法、雇用機会の均等に関わる法令

このほか、政治広告や著作権のあるコンテンツ、アダルト関連なども制限カテゴリに含まれます。共通するのは、Googleのルールの背後にはほぼ例外なく各国の法令や社会的な配慮があることです。つまりGoogleの審査は、法令チェックの簡易版として機能している面があります。審査に通ることと法令を守れていることは別問題なので、法令側は管轄の役所や専門家で裏を取る前提でいてください。不承認が出たら、まずどのカテゴリの話なのかをこの表に当てはめるだけでも、対処の見当は付きます。

3. 事前の認証・確認が必要な業種(2026年時点)

制限カテゴリの中でも、広告を出す前に認証や確認の手続きが必要な代表格が金融と薬関連です。

金融サービスには「金融サービスの適格性確認」という制度があります。その国の規制当局に登録された事業者か、登録事業者から広告掲載の承認を受けた代理店などであることをGoogleに確認してもらってからでないと、金融サービスの広告を配信できない仕組みです。導入は国ごとに順次進んでいて、施行日は英国が2021年9月6日、オーストラリア・シンガポール・台湾が2022年8月30日、ブラジル・フランス・ドイツ・インドなどが2023年1月24日、アイルランド・ニュージーランド・韓国・タイが2024年11月7日、マレーシアが2026年4月14日、オランダやスウェーデンを含む欧州11か国が2026年7月23日と分かれており、対象は29の国・地域に広がっています。日本は現時点でこの一覧に載っていません。ただし範囲は毎年追加されているので、金融関連の広告を計画しているなら、出稿前にポリシーヘルプの最新の一覧を確認してください。

薬関連では、オンライン薬局(医薬品のネット販売)に関わる広告に認定制度があります。国の許認可の確認を含むGoogleの認定手続きを済ませた事業者でないと、医薬品販売に関わる広告は配信できません。また処方薬に関わる語句は、認定の有無にかかわらず広告での使用が制限されます。医療機関の広告自体は事前認証制ではありませんが、後述する表現ルールが厳しく効いてきます。

もう1つ、業種を問わず前提になるのが「広告主の確認」です。Googleは本人確認・事業確認の書類提出をすべての広告主に順次求めており、期限までに完了しないと広告が停止されることがあります。制限業種の認証手続きは、この広告主確認が済んでいることを前提に進む場面が多いので、着手の順番としては最初に片付けておくべきものです。

4. 業種特有のNG表現:審査と法令の二重チェック

認証を通しても、広告文やリンク先の表現で落ちるケースが残ります。業種ごとに典型を挙げます。なお、ここからは法令に関わる部分を含むため、個別の表現の可否は最終的に専門家の確認を推奨します。

医療・クリニックでは、日本の医療広告ガイドラインが土台になります。禁じられているのは6類型。虚偽広告、比較優良広告、誇大広告、患者の体験談、詳細な説明のないビフォーアフター写真、公序良俗に反するものです。「絶対安全な手術」は1つ目、「地域No.1のクリニック」は2つ目に触れます。自社サイトでこの制限を外す「限定解除」には4つの要件があり、問い合わせ先の明記、自由診療の標準的な治療内容・費用・治療期間と回数の記載、主なリスクと副作用の記載を満たす必要があります。Googleの審査に通った表現でも、ガイドライン違反なら行政指導の対象になり得ます。健康食品・美容系では薬機法が壁で、医薬品でないものに「治る」「痩せる」といった効能効果をうたうと、審査でも法令でも問題になります。

金融では、「元本保証」「絶対に儲かる」のような断定表現が典型的なNGです。利回りやリターンの表示には根拠と条件の明示が求められ、誇張された利益の訴求はGoogleのポリシーでも不実表示として扱われます。人材・求人では、性別や年齢で応募者を限定する表現は法令上原則として認められていません(限られた例外事由はありますが、自社がそれに該当するかは個別の判断になります)。「20代女性歓迎」のような文言は、原則として広告でも避ける前提で考えてください。有料職業紹介であれば、厚生労働大臣の許可を受けた事業であることが前提です。許可の有効期間は新規が3年、更新後は5年。申請には500万円以上の基準資産額と150万円以上の現金・預貯金という要件があり、取得済みの許可番号をサイトに明示しておくと、審査でも信頼材料として働きます。

共通して効く考え方は「断定を条件付きの事実に置き換える」ことです。「必ず改善」ではなく「◯◯の場合に△△という選択肢がある」、「業界No.1」ではなく調査主体と年次を付けた実績表記。派手さは落ちますが、制限業種の広告は信頼で選ばれる領域なので、正確な表現はむしろ武器になります。言い換えに迷ったら、同じ規制業種で広告を出し続けている大手の広告文を検索して観察するのも実践的な勉強法です。審査を通り続けている表現には、型があります。

※ どのポリシーに引っかかっているのか、認証と表現のどちらの問題なのかを切り分けたい方へ ― 現役運用者がアカウントの不承認履歴と設定を確認します。読み取り専用の閲覧権限だけで完結し、今の配信や体制はそのままで受けられます。実際の診断レポートのサンプル(無料)を用意しています。

5. 認証・許可申請の進め方

手続きは業種で異なりますが、進め方の骨格は共通です。①不承認理由のポリシー名から、該当する認証制度のヘルプページを開く、②必要書類(登録番号・許認可の写しなど)をそろえる、③ページ内の申請フォームからGoogle広告アカウントのお客様IDを添えて申請する、④審査結果を待つ、の4段階です。審査には数営業日から数週間かかることがあり、書類の不備で差し戻されると往復でさらに延びます。出稿予定日から逆算して、1カ月程度の余裕を見ておくと安全です。

申請前のセルフチェックとして、①登録番号・許可番号がリンク先ページに明記されているか、②申請する事業者名とサイトの運営者名が一致しているか、③問い合わせ先が実在の連絡先として機能しているか、の3点を確認しておくと、差し戻しの大半は防げます。

つまずきやすいのは、申請の単位です。認証はアカウント単位・ドメイン単位で管理されるものが多く、代理店のアカウントで取った認証が自社アカウントに引き継がれない、リンク先ドメインを変えたら再申請になった、という事例があります。将来の運用体制の変更も見据えて、認証をどのアカウント・どのドメインに紐づけるかは自社で把握しておいてください。

審査中の過ごし方にもコツがあります。同じ広告を何度も出し直すより、リンク先ページの整備(運営者情報、許可番号、リスクや条件の明記)を先に進めるほうが、結果的に承認後の審査通過率を上げます。Googleの審査は広告文だけでなくリンク先も見ているからです。

6. それでも通らないときの見直し点

認証を取り、表現も直したのに不承認が続く場合、見るべき場所は3つ残っています。1つ目はリンク先の細部です。ページの奥にある1行、たとえばお客様の声の中の「絶対」や、古いキャンペーンページの誇大な文言が引っかかっていることがあります。2つ目はドメインやアカウントの履歴です。過去の違反が積み重なったドメインは審査が厳しくなる傾向があり、心当たりがあるなら違反履歴の解消から手を付けます。3つ目は誤判定の可能性です。審査は自動化されており、制限業種では誤検知も起きます。表現に問題がないと判断できるなら、管理画面から再審査請求を出してください。人の確認で覆ることはめずらしくありません。

制限業種の広告は、確かに手間がかかります。ただ、その手間は参入障壁でもあります。条件を満たして配信までたどり着けば、あきらめた競合のぶんだけ広告枠は空いています。落ちるたびに理由を1つずつ潰す。地味ですが、この積み重ねが通り道です。ただし、通ったあとに気をゆるめないでください。1媒体で通った文面が別の媒体で落ちるのは日常です。Googleで承認された広告文をそのままYahoo!広告やMeta広告の入稿画面に流し込み、同じ商材で審査に弾かれ直す。制限業種ではこれが繰り返し起きます。認証も表現ルールも媒体ごとに別建てだからです。横展開を決める前に、その媒体の規程をもう一度読み直す。承認は、次の媒体の通行証ではありません。

※ 審査落ちの原因究明で手が止まっている方へ ― 不承認の履歴・リンク先・設定をまとめて点検し、直す順番を提示します。実際の診断レポートのサンプル(無料)をご覧ください。

よくある質問

Q. 認証が必要かどうか、事前に確かめる方法はありますか?

A. Google広告ポリシーヘルプの「制限付きのコンテンツ」の一覧から自社の業種に近いカテゴリを開くと、認証の要否と申請フォームへの導線が記載されています。金融であれば「金融サービスの適格性確認」のページに国別の要件と施行日がまとまっています。確信が持てなければ、少額でテスト出稿して不承認理由を見るより先に、ヘルプページの確認とGoogleサポートへの問い合わせを済ませるほうが、アカウントに違反履歴を残さずに済みます。

Q. 制限業種だと、広告費も高くなりますか?

A. 傾向としては高めです。参入条件が厳しいぶん、通過した事業者同士が限られた枠を取り合うため、金融や医療系はクリック単価が1,000円を超えるキーワードも多い領域です。ただし高単価でも、1件の成果の価値が大きい業種なので採算は成立し得ます。判断はクリック単価の高さではなく、1件の成果から残る粗利にいくらまで払えるかの逆算で行ってください。単価が3倍でも、1件の価値が5倍なら成立します。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

無料サンプル

実際のカルテ(サンプル)をその場でダウンロード

ご入力後、その場でサンプル(PDF・一部抜粋)をダウンロードできます。まず中身を見たい方向けです。

この投稿を共有