Google広告が審査に落ちた:不承認理由の確認場所と、再審査を依頼する手順
「広告が不承認になりました、というメールが届いたんです。何か悪いことをしたんでしょうか」。広告を出し始めたばかりの方からの相談で審査まわりの話は必ずと言っていいほど出てきますが、不承認という言葉の響きが強いせいか、アカウントが凍結されたのかと青ざめて連絡をくださる方もいます。
先に安心材料からお伝えすると、不承認は「その広告1本が、今のままでは配信できない」という状態にすぎません。理由を確認します。直して出し直せば解決します。ベテランの運用者でも不承認は日常的に経験するもので、それ自体は珍しいことではないのですが、理由を確かめずに勘で出し直しを繰り返すと、話はアカウント全体の問題に発展しかねません。再審査の請求は1つの広告につき最大3回まで、しかも前回の請求から24時間以上空ける決まりになっていて、勘で試せる回数は思っているより少ないのです。
この記事の要点
- 不承認はその広告1本が配信されないだけの状態。直して再審査に出せば解決できる
- 理由は「広告」画面のステータス列と、「ツール」内のポリシーマネージャーで確認できる
- よくある原因は誇大表現、医療・健康、制限コンテンツ、リンク先の問題、ビジネス情報の5カテゴリ
- 理由を直さず出し直しを繰り返すと、広告単位の問題がアカウント停止に発展する場合がある
1. 不承認とは何か:広告単位の問題であって、アカウントの問題ではない
Google広告では、入稿されたすべての広告が配信前に審査を受けます。審査の結果、広告ポリシーに触れると判定されたものが「不承認」となってその広告だけが配信対象から外れ、同じ広告グループの他の広告や、他のキャンペーンは通常どおり動き続けます。
ステータスには段階があります。「有効」は問題なく配信できる状態、「承認済み(制限付き)」は配信はされるものの地域や時間などに制限がかかる状態、「不承認」は配信されない状態です。アルコールや金融のように、業種の性質上「制限付き」になること自体が正常なケースもあるので、制限付き=異常とは考えなくて構いません。
審査が走るタイミングは配信開始時だけではありません。広告を編集すれば再び審査され、配信中の広告もポリシー改定などを機に再審査されることがあるので、「先週まで動いていた広告が急に不承認になった」のは多くの場合この再審査によるものです。
まず押さえてほしいのは不承認とアカウントの停止がまったく別物だということで、不承認は広告1本の入れ替えで済む軽い症状、停止はアカウント全体の配信が止まる重い症状です。ただし後述するとおり、軽い症状への対処を誤り続けると重い症状に進むことがあります。
2. 不承認の理由はどこで確認するか
確認場所は2つあります。1つ目は広告の一覧画面です。左メニューの「キャンペーン」から「広告」を開くとステータス列に「不承認」と表示され、そこにカーソルを合わせると、違反と判定されたポリシーの名前が出てきます。ポリシー名を書き留めます。まずここで、何に触れたのかを正確に控えてください。
2つ目はポリシーマネージャーです。左メニューの「ツール」から「トラブルシューティング」内の「ポリシーマネージャー」を開くと、アカウント内のポリシー関連の問題が一覧で確認できます。俯瞰にはこちらです。不承認が複数出ているときや、アカウント全体の状況を見たいときに便利です。不承認の通知はメールでも届きますが、メールには概要しか書かれていないことが多いので、必ず管理画面で正式なポリシー名まで確認する習慣をつけてください。
なお、レスポンシブ検索広告のように複数の見出しと説明文を組み合わせる形式では、どのアセット(部品となる文言)が問題なのか分かりづらいことがあります。その場合は、疑わしい表現を1つずつ外して再審査に出すより、先にポリシーの中身を読んで当たりをつけるほうが早く解決します。
次はヘルプページです。ポリシー名が分かったら、Googleの広告ポリシーで該当する説明を読みます。どの表現・どの要素が該当したのかまでは書かれていないことも多いのですが、ポリシーの趣旨が分かれば、自分の広告文やリンク先のどこが引っかかったのか見当をつけられます。
3. よくある不承認カテゴリ5つ
入口は5つです。審査に落ちる理由は多岐にわたりますが、始めたばかりの方が引っかかりやすいのはこの5カテゴリです。
| カテゴリ | 引っかかる例 | 直し方の方向 |
|---|---|---|
| 誇大表現・不実表示 | 「業界No.1」「絶対に痩せる」など根拠を示せない断定 | 根拠を用意するか、事実の範囲の表現に言い換える |
| 医療・健康 | 効果効能の主張、医薬品関連の語句、施術の宣伝 | 必要な認定手続きの確認と、表現の見直し |
| 制限コンテンツ | アルコール、ギャンブル、金融商品などの業種 | 業種ごとの要件・事前認定の手続きを踏む |
| リンク先の問題 | ページが開けない、内容が薄い、広告との不一致 | リンク先ページ自体を修正する |
| ビジネス情報 | 事業者情報が不明確、広告主の確認手続きが未完了 | 会社概要の整備、本人確認手続きの完了 |
医療・金融・人材のように、業種そのものに追加の条件がかかるケースは「制限業種の広告審査に通らない?医療・金融・人材の認証と対処法」で別途扱っています。
最も多い入口は誇大表現:直し方の実例
最初の壁は誇大表現です。初心者がつまずくのは、たいていここです。悪気があるわけではなく、チラシや自社サイトで使ってきた言い回しをそのまま広告文に持ち込んで引っかかるパターンが目立ちます。たとえば「地域最安値」は全競合の価格を継続的に調査した根拠がなければ使えない表現で、「必ず成果が出ます」のような保証の断定も同様です。直し方の方向は2つあり、①「創業15年・施工実績1,200件」のように検証できる事実の数字に置き換える、②「最安」を「価格重視の方に」のように主観の押しつけでない訴求へ言い換える、のどちらかです。事実の数字は説得力も高いので、結果的に広告文自体が強くなることが多いです。
広告文だけでなく、リンク先も審査されている
審査はページも見ます。見落とされがちですが、対象は広告文だけではありません。LP(広告のリンク先ページ)が開けない、工事中である、広告の約束とページの内容が食い違っている、といったリンク先側の問題でも不承認になります。広告文を何度直しても通らないときは疑う場所をページ側に移してほしく、広告とリンク先の内容をそろえる考え方は「広告とLPのメッセージ一致」の記事が参考になります。
日本の法規制とGoogleのポリシーは別物
もう1点、医療や健康、金融まわりでは、Googleの審査に通ることと日本の法規制(薬機法や景品表示法など)を守れていることは別の話です。審査を通過したことが法令遵守の証明にはならないので、この領域の広告を出すなら、ポリシー対応とは別に専門家の確認を受けることを勧めます。
4. 修正して再審査を依頼する手順
対処は2通りに分かれます。心当たりがある場合と、判定に納得できない場合です。
心当たりがある場合は広告を修正して保存するだけで構わず、編集して保存すればその広告は自動的に再審査に回ります。別途の申請手続きは不要です。再審査もほとんどの場合1営業日以内に完了するとされています。このとき、不承認になった広告を残したまま新しい広告を追加するのではなく、元の広告を編集する形にすると、アカウントに不承認の広告が溜まっていくのを防げます。
判定に納得できない場合、つまり広告に問題はないと考える場合は、修正せずに再審査を請求できます。広告のステータスにカーソルを合わせると表示される「再審査を請求」のリンク、またはポリシーマネージャーから申請します。誤判定は実際に起こるもので正当な理由があれば判定が覆ることもあり、近年の審査は自動判定の比重が大きく、文脈を読み違えた不承認も一定数あります。たとえば一般的な言葉が規制対象の語と誤認されるケースなどです。請求の際に理由を記入できる場合は、感情的な抗議ではなく「この表現は〇〇という意味で使っており、該当ポリシーの対象ではないと考える」という事実ベースの説明を書いてください。
請求できる期間にも区切りがあります。2026年7月21日以降、判定が下されてから6か月以上たったポリシーの決定については、管理画面から直接の再審査請求ができなくなります。不承認を放置したまま半年たった広告を後から蒸し返すのは難しくなる、ということです。落ちたその週のうちに処理する。この習慣が結局は一番安全です。
注意したいのは、この2つを混ぜてしまうことです。「たぶん大丈夫だろう」と根拠なく再審査だけを繰り返すのは次章で述べるリスクに直結するので、再審査を請求するのは、どのポリシーに照らしても問題がないと説明できるときに限ると決めておくのが安全です。
5. 不承認を繰り返すと、アカウント全体に波及する
不承認そのものは軽い症状です。ただし対処の仕方を間違えると重症化します。
典型的な悪手は、不承認になった広告の文言を少しだけ変えて何度も出し直し審査をすり抜けようとすることで、単語を記号で置き換える、審査が通ってからリンク先を差し替える、といった行為も同類です。これらはGoogleのポリシー上「システムの回避」と見なされる恐れのある行為で、広告1本の不承認では済まず、アカウント自体の停止につながりかねません。本人には「表現を工夫しているだけ」のつもりでも、審査側からは意図的なすり抜けの試行と区別がつかない、という点が怖いところです。
また、一部のポリシーでは、違反の繰り返しに対して措置が段階的に重くなる仕組みが導入されています。対象は15項目です。そのポリシーでの進み方は決まっています。初回は事前警告のメールが1度だけ。そこから1回目の違反警告でアカウントが3日間の一時停止、その警告から90日以内に同じポリシーへ再び違反すると2回目の警告で7日間の一時停止、さらに90日以内の3回目でアカウントの強制停止という順に重くなります。不承認の広告を大量に放置しているアカウントも健全とは見なされにくくなるので、1件1件の不承認をその都度きちんと理由から潰しておくことが、結局はアカウントを守る一番の近道です。
※ 不承認の広告が溜まっていないか、危ない出し直しをしていないか。ポリシーまわりの健全性は自分では判断しづらい領域です ― 実際の診断レポートのサンプル(無料)で、外部の実務者がどこを見るかを確認できます。
6. 審査で消耗しないための予防策
最後に、不承認と付き合ううえでの予防策を3点挙げると、1点目は広告文を作る段階で「根拠を示せない断定表現」を使わないことで、最上級表現や効果の保証は、根拠資料をリンク先に用意できないなら最初から避けるのが賢明です。2点目は入稿前にリンク先を自分のスマートフォンで開いてみることで、ページが正しく表示されるかの確認は1分で済みます。
3点目は、不承認が出たら対応の記録を残すことです。どのポリシーで落ち、どう直して通ったか。この記録があると、同じ失敗を防げるだけでなく、運用を人に引き継ぐときの資産にもなります。運用を代理店に任せている場合も、不承認の発生と対応内容は月次の報告に含めてもらうよう頼んでおくと、知らないうちに危ない出し直しが行われるのを防げます。
審査は敵ではなく、広告の信頼性を保つための関所です。広告文の作り方そのものを鍛えたい方は「レスポンシブ検索広告の作り方」が土台になります。理由を確かめ、直し、記録する。ここまでは自分の手で回せます。難しいのはその先で、自分の出し直しが「修正」と「すり抜け」のどちら側に見えているかは、判定する側の基準を知らないと自己採点のしようがありません。停止に至った広告主の多くは危ない橋を渡っている自覚がないまま渡っていたので、境界線がどこに引かれているかだけは、外から確かめてもらう価値があります。
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よくある質問
Q. 不承認の広告をそのまま放置しても大丈夫ですか?
A. その広告が配信されないだけで、すぐに罰則があるわけではありません。ただし不承認の広告が大量に溜まった状態は望ましくなく、ポリシーによっては繰り返しの違反として扱われる恐れもあります。使わないなら削除する、使うなら直して再審査に出す、のどちらかをその都度済ませておくと、アカウントを健全な状態に保てます。
Q. 何も変えていないのに、ずっと配信されていた広告が急に不承認になりました。なぜですか?
A. Googleの広告ポリシーは随時更新されており、既存の広告が新しい基準で再審査されることがあります。広告側を変えていなくても、リンク先ページの変更やページの不具合が引き金になる場合もあります。まずステータス欄でポリシー名を確認し、直近でリンク先に変更がなかったかを関係者に聞いてみてください。判定に心当たりがなければ、再審査の請求で覆る場合もあります。
この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。
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