コンテンツまでスキップ
ECサイトの商品フィードとGoogle広告のキャンペーン構成図を並べたイメージ

EC・D2CのGoogle広告構成:ショッピング広告とP-MAXの組み方

アドサプリ運営チーム
アドサプリ運営チーム
HOMEブログ / EC・D2CのGoogle広告構成:ショッピング広告とP-MAXの組み方
EC・D2CBtoB・EC

EC・D2CのGoogle広告構成:ショッピング広告とP-MAXの組み方

アドサプリ運営チーム2026.08.20
ECサイトの商品フィードとGoogle広告のキャンペーン構成図を並べたイメージ

EC・D2CのGoogle広告は、リード獲得型のアカウントとはまったく別の組み立てが必要です。ところが実際に診断で中を見ると、「とりあえずP-MAXを1本」「検索キャンペーンに商品名を並べただけ」という構成が驚くほど多い。売上は出ていても、どの商品群が儲かっているのか分からず、予算を増やす根拠も持てない状態です。

結論を先に言うと、ECのGoogle広告はキャンペーンをいじる前にMerchant Centerと商品フィードの整備で勝負の半分が決まります。そのうえで、標準ショッピングとP-MAXの関係を正しく理解し、事業規模と商品構成に合わせてキャンペーンを分ける。この記事では、個別の入札調整ではなく「構成をどう組むか」に絞って、実務で使っている型を解説します。

この記事の要点

  • ECのGoogle広告の土台はMerchant Centerと商品フィード。フィード品質が悪いと、どんな構成でも伸びない
  • P-MAXはショッピング枠を含む全面配信で、同じ商品では標準ショッピングより優先される
  • 基本構成は「指名検索+ショッピング系」が軸。予算規模と商品数で3パターンに分かれる
  • キャンペーン分割の軸は商品カテゴリより「利益率・価格帯」。目標ROASを商品群ごとに変えられる形にする

1. 土台はMerchant Center:フィードの品質が構成より先

ショッピング広告もP-MAXの商品配信も、元データはすべてMerchant Centerの商品フィードです。キャンペーン構成の議論の前に、ここが整っているかを確認します。チェックポイントは次のとおりです。

  • 不承認・警告の商品が放置されていないか。不承認率が高いと配信対象がそもそも欠ける
  • 商品タイトルに検索される語句が入っているか。「【送料無料】」などの飾りが先頭を占め、ブランド名・商品種別・型番が後ろに追いやられていないか
  • GTIN(JANコード)や商品カテゴリなどの属性が埋まっているか
  • 価格・在庫がサイトと一致しているか。不一致はアカウント停止のリスクにもなる

ショッピング系の配信では、キーワードを入札する代わりにフィードの情報が検索語句とのマッチングに使われます。つまりフィードのタイトル改善は、検索キャンペーンでいうキーワード追加に相当する施策です。「入札を調整しても表示が増えない」という相談の多くは、原因がフィード側にあります。

2026年の仕様変更も押さえておきたいところです。Google公式の商品データ仕様の更新案内によると、2026年4月14日から送料まわりの新しい属性が導入されました。当日の発送締め切り時間(handling_cutoff_time)、最低注文額(minimum_order_value)、商品単位で特典プログラムの配送特典を指定できるラベル(loyalty_program_label/loyalty_tier_label)といった属性で、配送条件が細かいショップや会員向けの優遇を持つショップほど恩恵が出やすい内容です。同じ4月14日からは商品動画のリンクを送る属性の技術的な検証が始まり、実際の配信とポリシー審査の対象になるのは6月30日からとされています。あわせて、商品画像の最小解像度を500×500ピクセルとする要件が2027年1月31日以降に適用される予定で、該当する商品への警告自体は2026年4月14日から出始めています。古い小さなサムネイル画像を使い回しているショップは、今のうちに画像の棚卸しをしておくと慌てずに済みます。

確認の手順も具体化しておきます。Merchant Centerにログインし、左メニューの「商品」から「注意が必要」タブを開いて、影響を受ける商品数の多い順に並べ替える。上位3件の問題を直すだけで、配信対象の商品数がまとまって戻ることは珍しくありません。問題のある商品の一覧を書き出し、商品IDを在庫管理側のマスタと突き合わせる運用にしておくと、修正の担当をEC担当者へ渡しやすくなります。

2. 標準ショッピングとP-MAXの関係を整理する

ECの構成で混乱しやすいのが、標準ショッピングキャンペーンとP-MAXの関係です。整理すると次のようになります。

標準ショッピングは、ショッピング枠(検索結果の商品カルーセルなど)に絞って配信するキャンペーンです。商品グループの分割、入札の強弱、検索語句の確認など、運用者側でコントロールできる範囲が広いのが特長です。

P-MAXは、ショッピング枠に加えて検索・ディスプレイ・YouTube・Gmailなどほぼ全面に配信されるキャンペーンです。フィードを紐づければ商品広告としても動きます。そして大事なのが優先関係で、同じ商品を標準ショッピングとP-MAXの両方に入れた場合、多くの場合P-MAXが優先して配信されると言われています。「標準ショッピングの成果が急に落ちた」というとき、裏で追加されたP-MAXが商品を吸い上げているケースは典型です。

どちらが優れているかという話ではなく、コントロール重視なら標準ショッピング、配信面の広さと自動化を取るならP-MAX、という使い分けです。P-MAX自体の成果改善やチャネル別の内訳確認は既存記事(P-MAXで成果が出ない時に開く5画面)で扱っているので、本記事では構成の組み方に集中します。

2026年時点では、P-MAX側のコントロール手段も増えています。キャンペーン単位での除外キーワードが管理画面の「キャンペーン」→「キーワード」→「除外キーワード」タブから直接設定でき、検索テーマもアセットグループあたり50個まで追加できます。チャネル別の実績や検索語句の確認もできるため、「中身がまったく見えない箱」という以前の評価はもう当てはまりません。それでも、商品グループごとの入札の細かさでは標準ショッピングに分があります。ECの構成を考えるときは、2つを対立させるより「どの商品群をどちらに預けるか」という割り振りの問題として捉えるほうが実務に合います。

3. 予算規模別・基本構成の3パターン

そのうえで、実務でよく使う構成を3つ示します。どのパターンでも共通するのは、指名検索(ブランド名・サイト名)のキャンペーンを独立させることです。指名は放っておいてもROASが高く出るため、他と混ぜると全体の数字が良く見えてしまい、判断を誤らせます。

パターン1:月予算〜100万円、商品数が少ない

指名検索+標準ショッピング(または商品フィード連携のP-MAX1本)のシンプル構成です。予算が小さい段階でキャンペーンを細かく割ると、1本あたりのコンバージョン(CV)数が減って学習が安定しません。まず束ねて母数を作るのが先です。

パターン2:月予算100〜300万円、主力商品群が明確

指名検索+P-MAX(主力商品群)+標準ショッピング(その他の商品)の組み合わせです。伸ばしたい主力はP-MAXで面を広げ、ロングテールの商品は標準ショッピングで受ける。一般キーワードの検索キャンペーンを足すのはこの段階からで十分です。

パターン3:月予算300万円〜、商品群ごとに損益が違う

商品フィードのラベル機能で商品群を分け、P-MAXや標準ショッピングを目標ROAS別に複数本立てます。分割の軸はカテゴリの見た目ではなく利益率・価格帯です。粗利率60%の商品と20%の商品に同じ目標ROASを当てると、片方は儲かり、片方は売るほど赤字になります。「利益率の違う商品群に別々の目標を設定できるか」が、この規模の構成の良し悪しを分けます。

※ 自分のアカウントの場合はどうか気になる方へ ― 実際の診断レポートのサンプル(無料)を用意しています。

4. 検索キャンペーンとの棲み分け:指名の扱いと重複の管理

ショッピング系とは別に、検索キャンペーンをどう置くかも構成論の一部です。ポイントは2つあります。

1つめは指名キーワードの防衛です。指名検索は専用キャンペーンで取りこぼさないようにしつつ、P-MAXに指名の売上を横取りされない設定を入れます。P-MAXにはブランドの除外設定(アカウントレベルのブランドリスト)があり、これを使うと指名系の検索をP-MAXの対象から外せます。指名除外をせずにP-MAXのROASを眺めて「P-MAXは優秀」と結論づけているアカウントは、成果の中身を指名が水増ししている可能性が高いです。

2つめは一般キーワードの検索キャンペーンの役割定義です。ECでは「商品名・型番系はフィード経由のショッピング面が強い」「カテゴリ名や悩み系の語句はLP次第で検索広告が効く」という分担になりやすい。検索キャンペーンを足すなら、ショッピングで拾いきれない悩み系・比較系の語句に絞ると、重複を抑えられます。検索語句レポートで両者の食い合いを月次で確認する運用をセットにしてください。

5. 運用の勘所:入札よりフィード改善が効く場面を見逃さない

構成を組んだあとの改善でも、ECでは「入札・予算」より「フィード・商品」側に伸びしろがあることが多いです。月次で見るべきは次のような点です。

  • 商品別の表示回数の偏り:一部の商品だけが予算を消化していないか。タイトル改善や画像差し替えで、表示されていない商品を掘り起こす
  • 価格競争力:同じ商品を扱う競合より高い価格はクリック率と表示に響く。値付けの問題は広告設定では解決できない
  • 在庫切れ・不承認の増減:フィードのエラーは静かに配信量を削る。週次でMerchant Centerの「注意が必要」タブを見る習慣をつける
  • 新規顧客比率:既存客への再販ばかりでROASが良く見えていないか。新規顧客の獲得単価を別軸で追う

また、目標ROASの数値設定は「達成できそうな値」ではなく損益分岐から逆算した値で置きます。tROAS設定の具体的な手順と落とし穴は別記事で扱っているので、構成が固まったら次のステップとして読んでみてください。

6. 構成を変えるときの手順と、よくある失敗

既存アカウントの構成を組み替える場合、切り替え方そのものにコツがあります。ECは季節性が強く、比較の基準を取り違えると「構成変更のせいで落ちた」のか「単に閑散期だった」のかが分からなくなるからです。

手順としては、まず変更前4週間の商品群別の売上・広告費・ROASを控えます。次に、新しいキャンペーンを作って旧キャンペーンと並走させる期間を1〜2週間だけ設け、そのあとで旧キャンペーンを停止する。いきなり全部を差し替えると、学習がゼロから始まる期間と売上の谷が重なります。並走中は同じ商品が両方に入るため配信は新しい側へ寄りますが、それでもフィードの不備や設定漏れを見つける保険にはなります。

診断でよく見る失敗も挙げておきます。

  • 商品群の分割が細かすぎる。商品数200点を5本のキャンペーンに割り、どれも月のコンバージョン(CV)が10件に届かず学習が回らない。分割は「1本あたり月30件以上のCVが見込めるか」を基準にする
  • 目標ROASを一度に大きく動かす。600%から900%へ一気に上げると配信量が急減し、売上が半分になることもあります。変更は1回あたり10〜20%以内に収め、2週間は様子を見る
  • フィードの更新頻度が実在庫に追いつかない。在庫切れ商品への出稿は費用の垂れ流しになるうえ、Merchant Centerの警告も増えます。カート側の連携頻度を1日1回から複数回に上げられないか確認する

構成は目的ではなく道具です。「どの商品群がいくら儲かっているかを、来月の会議で説明できる形になっているか」。この問いに答えられる構成であれば、細かい流儀の違いは大きな問題になりません。逆に、キャンペーン名が「新規キャンペーン - コピー2」のまま並んでいるアカウントは、たいてい説明のできない構成になっています。名前の付け方を「目的_商品群_媒体面」のように決めるだけでも、引き継ぎと分析はかなり楽になります。

よくある質問

Q. 標準ショッピングとP-MAX、最初はどちらから始めるべきですか?

A. コンバージョンデータが少ない立ち上げ期は、コントロールしやすい標準ショッピングから始めて検索語句と商品別の反応を確認し、データがたまってからP-MAXを試す順序が検証しやすいです。一方、運用の手数をかけられない場合は、フィードを整えたうえでP-MAX1本から始める選択も現実的です。どちらでも、指名検索キャンペーンの分離だけは先にやっておくことをすすめます。

Q. 商品フィードの作成にツールや代行は必要ですか?

A. 商品数が数十点程度で更新頻度が低ければ、カートシステムの連携機能や手動アップロードで十分なことが多いです。商品数が数千点を超える、在庫や価格の変動が激しい、複数媒体に配信するといった条件が重なると、フィード管理ツールの費用対効果が出やすくなります。先にタイトルや属性の品質を整えるほうが優先で、ツールはその手間を軽くする位置づけです。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

無料サンプル

実際のカルテ(サンプル)をその場でダウンロード

ご入力後、その場でサンプル(PDF・一部抜粋)をダウンロードできます。まず中身を見たい方向けです。

この投稿を共有