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キーワード候補の一覧とキーワードプランナーの画面を並べて突き合わせている広告担当者のイメージ

AIでキーワード選定の下ごしらえをする:得意なことと、任せてはいけないこと

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AI活用検索語句

AIでキーワード選定の下ごしらえをする:得意なことと、任せてはいけないこと

アドサプリ運営チーム2026.08.27
キーワード候補の一覧とキーワードプランナーの画面を並べて突き合わせている広告担当者のイメージ

キーワードプランナーを開いて、思いついた語を5つほど打ち込む。候補が200件返ってくる。そこから何を選べばいいのか決めきれず、結局いつもの10個で入稿してしまう。自分で広告を回している方の作業風景として、かなり多いパターンだと思いますが、候補が足りないのではなく、候補の出し方が自分の頭の中に限られているのが本当の詰まりどころです。

生成AIは、この「頭の中の限界」を広げる道具としては相当に優秀です。ただし、その候補に実際どれだけ検索需要があるのかはAIには一切分からず、ここを混同したまま使うと、誰も検索していない語のリストを立派な体裁で受け取ることになります。AIで広げ、キーワードプランナーと検索語句レポートで確かめる。この2段構えの手順を、実際の文面つきで書いていきます。

この記事の要点

  • AIが得意なのは、顧客の言い回しの洗い出し、悩みの言語化、関連語や周辺カテゴリの発想の3つ
  • AIには検索ボリュームも競合性も分からない。数字を答えてきたらそれは推測であって実データではない
  • 手順は「AIで200語まで広げる→キーワードプランナーで需要を確認→30語前後に絞る→検索語句レポートで答え合わせ」
  • 除外キーワードの候補出しはAIの使いどころ。ただし採用の可否は自社の商圏と商材を知っている人が決める

1. AIが得意なこと、まったく苦手なこと

先に線引きを済ませておきます。キーワード選定という作業は、大きく「候補を思いつく」と「候補の価値を測る」の2つに分かれます。前者は言葉の仕事で、後者はデータの仕事です。生成AIは前者にしか触れません。

作業 AIの適性 理由
顧客の言い回しの洗い出し 得意 大量の日本語の文章から、同じ意味の別の言い方を並べる作業そのもの
悩みの言語化・検討段階の分類 得意 「まだ調べている人」と「もう選んでいる人」の語彙の違いを整理できる
関連カテゴリ・周辺業界の発想 得意 担当者が業界の内側にいるほど気づけない外側の語を出せる
検索ボリュームの推定 苦手 実際の検索数のデータを持っていない。答えた数字は文章としての推測
競合性・クリック単価の見立て 苦手 オークションの状況は媒体の管理画面にしかない
自社の商圏・在庫・対応可否の判断 苦手 社内にしかない情報。渡さない限り知りようがない

この記事は、自分の手元で言葉を広げる下ごしらえの話です。管理画面側のAI機能に運用判断を委ねる話は「Ads Advisorに任せてよい範囲」、AIに実行そのものを任せる潮流は「バイブ・マーケティング」で別に扱っています。ここで扱うのは、入稿の前日にできる作業だけです。

2. 手順の全体像は4ステップ

順番を先に示します。①AIで候補を150〜200語まで広げる、②キーワードプランナーで需要と競合性を確認する、③配信する30語前後に絞る、④配信後の検索語句レポートで答え合わせをする。この順番を崩さないことが肝心で、特に①と②を入れ替えると、プランナーの候補に引きずられて発想の幅が狭くなります。

①にかかる時間は15分程度、②が30分、③が20分ほどです。④は配信を始めてから2週間後の作業になりますが、合計しても最初の1時間強で、従来のように自分の頭だけで200語ひねり出す作業と比べると、確保できる候補の幅が大きく変わります。

④を手順に含めているのには理由があります。①から③までは、どこまで丁寧にやっても仮説の域を出ず、自社の広告に実際にどんな語で人が来たかは、配信して検索語句レポートを開くまで分かりません。ここで「AIが挙げていたが自分は捨てた語」が実際に成果を出していたり、逆に「自信を持って選んだ語」に1件もクリックが付いていなかったりします。この答え合わせを2回、3回と繰り返すうちに、自社にとってのAIの当たり外れの傾向が見えてきます。

3. キーワード出しにそのまま使えるプロンプト例3つ

プロンプト1:顧客の言い回しを洗い出す

次の商材について、実際に検索する人がGoogleの検索窓に打ち込みそうな言葉を100個挙げてください。マーケティング用語や業界用語ではなく、困っている本人が使う口語に寄せてください。

・商材 関東圏の戸建て向け外壁塗装。施工実績は年間120棟、10年保証あり。

・想定する人 築15年前後の戸建てに住む50代。壁のひび割れと色あせが気になり始めたが、相場も業者の選び方も分かっていない。

・出力の分類 ⑴症状や困りごとで検索する語、⑵相場や費用を調べる語、⑶業者の選び方を調べる語、⑷地域名と組み合わせる語、の4グループに分けること。

・注意 検索ボリュームや競合性の数値は書かないでください。分からないものを推測で書かれると判断を誤ります。

最後の1行が効きます。これを入れておくと、それらしい数字の列を付けてくる出力を防げます。数字が並んでいると、人はつい信じてしまうからです。

プロンプト2:検討段階で仕分けさせる

先ほど挙げた100語を、検索した人の検討段階で3つに仕分けて表にしてください。

・段階1 まだ問題を自覚したばかりで、業者に頼むかどうかも決めていない

・段階2 頼む前提で、相場や工法や業者の選び方を比べている

・段階3 依頼先をほぼ絞り込み、見積りや問い合わせを取ろうとしている

仕分けの理由を語ごとに10文字程度で添えてください。判断に迷った語は「判断保留」の欄にまとめてください。

この仕分けは、後の広告グループ分けにそのまま使えます。段階3の語は少数でも成果に直結する一方、段階1の語は数が多くてもクリックの先で止まりやすいので、予算が限られているなら段階3から順に入稿していくという判断がしやすくなります。

プロンプト3:除外キーワードの候補を出させる

同じ商材で、広告を出すと費用の無駄になりそうな検索語のパターンを50個挙げ、理由ごとに分類してください。

・分類 ⑴自分で施工しようとしている人の語、⑵仕事を探している人の語、⑶学習や資格の語、⑷対応していない工事の語、⑸無料や中古を探している語、⑹対応エリア外の地名

・注意 私は関東圏のみ対応で、屋根の葺き替えは扱っていません。この前提に反する語は必ず挙げてください。

4. キーワードプランナーとの突き合わせ

AIが出した候補は、この時点ではただの言葉のリストです。需要があるかどうかは、キーワードプランナーに貼って確かめます。手順は単純で、候補をテキストで貼り付け、月間平均検索ボリュームと競合性の列を見ます。

ここで知っておきたいのが、表示の粒度の問題です。キーワードプランナーの月間平均検索ボリュームは、広告費の支出状況によって「10〜100」「1000〜1万」のような幅のある範囲でしか表示されないことがあります。範囲表示のままでも、桁が分かるだけで十分に使えます。10〜100の語と1000〜1万の語では、扱いがまったく変わるからです。

絞り込みの基準は3つです。1つ目は桁で、月間10件に満たない語は、単独の広告グループにする価値が薄いと考えます。2つ目は意図の一致で、ボリュームが大きくても検討段階1に偏る語ばかり選ぶと、クリックは集まってもコンバージョン(CV、問い合わせや購入などの成果地点のこと)に届きません。3つ目は自社の対応可否です。「外壁塗装 DIY」に月2000件の需要があっても、施工業者にとっては買う理由がありません。

この3つで200語から30語前後まで落とせます。落とした語は消さずに、別のシートに残しておいてください。半年後に予算が増えたときの再検討の出発点になりますし、捨てた理由を「ボリューム不足」「意図が合わない」「対応外」の3種類だけでも記録しておくと、次回の絞り込みが速くなります。

もう一つ、プランナーの数字の読み方で誤解が多い点に触れておくと、表示されるのは検索された回数の目安であって、自社の広告が獲得できるクリック数ではありません。月間1000件の検索がある語でも、上位に競合が5社並んでいれば、少額予算で取れるのはその一部です。プランナーの数値は需要の大きさを測る物差しであり、獲得見込みの約束ではない、と切り分けて読んでください。

※ 候補は広げられたが、今のアカウントの構成に載せてよいか判断がつかない方へ ― 月次の広告アカウント診断「アドサプリ」は、読み取り専用(閲覧のみ)の権限でキーワードと検索語句の状態を確認します。設定は触らないので配信への影響はありません。実際の診断レポートのサンプル(無料)を用意しています。

5. 除外キーワードでのAIの使いどころ

キーワード選定より、除外キーワードのほうがAIの費用対効果は高いかもしれません。理由は2つあります。1つは、除外は「思いつかなかったものが漏れる」性質の作業で発想の網羅性がそのまま金額に効くこと、もう1つは、除外の候補は間違っていても実害が小さく、採用の可否を人が1行ずつ見れば済むことです。

実務では2つの使い方があります。事前の候補出しは前掲のプロンプト3のとおりです。もう一つが事後の分類で、配信後に検索語句レポートをダウンロードし、その語句リストをAIに渡して「意図別に分類し、商材と無関係なものを抽出してください」と指示します。数百行の語句を目視で追う作業が、数分に縮みます。

ただし、除外リストをAIの出力のまま登録するのは避けてください。除外は一度入れると効果が見えないまま効き続けるため、必要な語まで止めていても気づけず、特に、部分一致で拾いたい関連語や、地名の一部が別の語に含まれるケースで事故が起きます。採用は1語ずつ人が判断し、迷ったものは入れない。この線引きの実務は「検索語句レポートと除外キーワード」に手順としてまとめました。

6. AIの出力を鵜呑みにしない3つのポイント

1つ目は数字です。AIに検索ボリュームを尋ねると、それらしい数値が返ってくることがありますが、実データを持たない以上、これは推測であって根拠のある数字ではありません。数値が返ってきたら「その数字の出どころは何ですか」と聞き返してみると、たいてい答えられません。数字はプランナーか実配信のデータからしか取らない、と決めておくのが安全です。

2つ目は業種の思い込みです。AIは一般的な業界像をもとに語を出すため、自社が扱っていないサービスや、対応していない地域の語が平然と混ざります。前掲のプロンプトで「対応していないもの」を明示したのはこのためです。それでも混ざるので、最後に自分の目で通す工程は省けません。

3つ目は規制と権利まわりです。他社のサービス名や登録商標をキーワードに含める場合、媒体のポリシー上の制限や、権利者との関係の問題が絡みます。医療・美容・健康食品などでは、キーワードそのものより、その語に合わせて作る広告文とリンク先の表現が薬機法や関連ガイドラインに触れないかが問われます。AIはこの可否を判定できませんし、聞けば自信を持って答えてしまうぶん、かえって危ない。規制業種では、社内の法務か専門家に確認する前提で候補を扱ってください。

キーワード選定は、広告の中でも「考えた量」が結果に直結する数少ない領域で、AIは考える量を増やす道具であって、考える仕事の代わりにはなりません。候補を200語広げたあと、それを30語に絞る20分こそが、自分の商売の理解が試される時間です。作業としては、ここまでが自分の手の内です。できないのは、その絞り方の癖そのものが自社に合っているかの判定で、同じ癖で何年も選び続けてきた人には、その癖が癖として見えません。

※ 絞り込みの判断に自信が持てない方へ ― どのキーワードが予算を食い、どこが機会損失になっているかは、アカウントの中の数字を並べれば見えてきます。「アドサプリ」の診断レポートのサンプル(無料)で、外から見て分かる範囲をご確認ください。

よくある質問

Q. AIに出させた候補を、そのまま全部入稿してはいけませんか。

A. 少額予算のアカウントでは特に避けたい入れ方です。キーワードを増やすほど1語あたりのデータがたまらず、自動入札の学習も進みにくくなります。月30万円以下の予算なら、開始時は30語前後、広告グループは3つから5つに収めるくらいが動かしやすい規模です。候補を200語作る意味は、全部使うためではなく、30語を選ぶときの選択肢を広げるところにあります。

Q. AIとキーワードプランナー以外に、必要なツールはありますか。

A. 始めるだけなら不要です。有料のキーワードツールは競合の出稿状況や関連語の網羅で強みがありますが、月間の広告費が数十万円の規模では、費用に対する見返りが薄い場面が多いと感じます。それよりも、配信後の検索語句レポートを2週間おきに開く習慣のほうが効きます。実際に自社のお金でクリックされた語は、どんなツールの推定よりも正確な現実だからです。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

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