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撮影スタジオでカメラとモニターを準備している様子

Made on YouTube 2026:ブランドとクリエイターの取引機能と、日本で使えるもの

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Made on YouTube 2026:ブランドとクリエイターの取引機能と、日本で使えるもの

アドサプリ運営チーム2026.10.14
撮影スタジオでカメラとモニターを準備している様子

Made on YouTube 2026(2026年9月23日)のブランド向けの要点は、クリエイターの動画の実績をブランドが直接見てブーストできるCreator Partnershipsで、日本を含む20か国で提供されています。ほかにショッピングアフィリエイト、Shorts Series、動画のA/Bテストが発表され、日本で使えるものと未定のものが混ざっています。

「YouTube Brandcast 2026」とは別のイベントです

Brandcastは、YouTubeが広告主向けに毎年開くイベントで、2026年は5月13日に米ニューヨークで開催されました。発表されたのは、AIでブランドに合う動画を動的に表示する「Custom Sponsorships」、マストヘッドに追加コンテンツを並べる「Custom Content Shelf」、テレビ画面から2クリックで購入できる「Buy with Google Pay」、商品タグ付き動画を広告として広げる「Affiliate Partnerships Boost」、GeminiやVeoを使った動画制作の5つです(YouTube公式ブログ)。

公式発表には対象国や日本での提供時期の記載がなく、2026年の日本版Brandcastの開催も2026年10月29日時点で確認できていません。この記事で扱うMade on YouTubeは、9月23日に開かれた別のイベントです。

クリエイターに動画を1本作ってもらったあと、その動画の再生数や視聴維持率を、発注したブランド側は見られているでしょうか。多くの場合、答えは「クリエイターからスクリーンショットをもらっている」です。広告費を払っているのに、数字は相手の手元にしかない。この状態をYouTube側が仕組みで解消しにきた、というのが今回の発表の核心です。

CEOのNeal Mohan氏が「30を超えるアップデート」と総括した発表の大半はクリエイター向けですが、広告主の財布に直接関わるのは上の4系統で、ショッピングアフィリエイトの登録クリエイターは130万人を超え、動画A/Bテストでは最大3カットを実際の視聴者で試せます。一次情報はYouTubeの公式ブログで、英語版が2026年9月23日、日本語版が翌24日に公開されています。

この記事の要点

  • Creator Partnershipsは日本を含む20か国で提供中。クリエイターがワンクリックのコードでブランドにアクセス権を渡し、ブランドは実績閲覧と有料ブーストができる
  • ショッピングアフィリエイトは登録130万人超・GMVは2年で13倍。年内に35か国へ拡大予定で、日本はすでに対象。限定コミッションの「アフィリエイトキャンペーン」は日本未定
  • Shorts Seriesで縦型動画を連載化。マイクロドラマは2026年上半期に65億回視聴、TVでの視聴は前年比90%超の伸び
  • 長尺動画20本にスポンサー区間を一括挿入する機能や、Ask Studioは「テスト中」「近日」。日付のない予定は予定として扱う

新しい施策を足す前に、今の広告の予算配分と成果の偏りを評価した診断の例をご覧いただけます。

サンプルを見る(無料・その場でダウンロード)

1. 発表の全体像:4系統を「状態」と「日本」で仕分ける

先に表で全体を押さえます。

系統 ブランドにできること 状態 日本
Creator Partnerships クリエイター動画の実績閲覧、Google広告からのブースト。付随するDynamic brand segments(スポンサー区間の一括挿入)はテスト中 提供中(20か国) 対象
ショッピングアフィリエイト クリエイターの商品タグ経由で販売。限定コミッションのキャンペーン設定 提供中。年内35か国へ 対象。キャンペーンは未定
Shorts Series 縦型動画の連載化(シーズン・エピソード) 9月23日から順次提供 順次
動画A/Bテスト 最大3カット・3サムネイルの実視聴者テスト 時期未定 記載なし

表の「状態」の列では、提供中が3系統、時期未定が動画A/Bテストの1系統です。ただ行の中まで降りると、Creator PartnershipsのDynamic brand segmentsは「テスト中」、アフィリエイトの限定キャンペーンは日本未定、Ask Studioは「近日」と、提供中の系統にも日付のない機能が混ざっていて、米国のイベント発表ではこの混ざり方が普通です。日付のない予定を予算の前提にしないこと。それがこの手の発表を読むときの最初の約束事になります。

2. Creator Partnerships:アクセス共有コードと「ブースト」で取引が計測に乗る

ブランドにとって最大の変化はここです。

Creator Partnershipsは、2026年3月24日に旧BrandConnectを置き換える形で7市場から始まった仕組みで、YouTubeの公式ブログによれば現在は日本を含む20か国で提供されています。仕組みは単純で、クリエイターがブランドとの提携動画を公開したあと、ワンクリックで発行されるコードをブランドに渡す。ブランド側はそのコードで動画の実績を閲覧でき、さらにCreator Partnerships boostで、その動画に自社のGoogle広告の予算を乗せて配信を広げられます。

冒頭の「スクリーンショットをもらう」状態と比べると、変わるのは2点です。1つは数字の置き場所で、再生数や視聴維持率がクリエイターの善意ではなくYouTubeの仕組みとしてブランドに渡る。もう1つは費用の置き場所で、クリエイターへの制作費とは別に、ブーストの配信費が自社の広告アカウントに計上されるため、クリエイター施策がコンバージョン(CV、問い合わせや購入などの成果地点のこと)やCPA(CV1件あたりにかかった広告費)の同じ土俵で比べられるようになります。クリエイター広告が米国で伸びている背景は「クリエイター広告・UGCの主流化」に書きました。

数字にするとこうなります。制作費30万円の提携動画にブーストで20万円を乗せ、合計50万円でCVが25件なら、クリエイター施策のCPAは2万円。同じ月の検索広告のCPAが1万5,000円なら、動画のほうが3割強高い計算で、ここで初めて「次はブーストを増やすのか、制作本数を増やすのか」が同じ物差しで議論できます。コードがなければ、比べる数字そのものが手元にありません。

まだ先の機能も2つあります。Dynamic brand segmentsは、長尺動画最大20本にスポンサー区間を一括で挿入し、地域を指定してCTAボタン付きの枠を出す仕組みですが、公式の表現は「テストと改良を継続中」です。Ask Studioはクリエイターがブランドからのブリーフへの返答やメディアキット作成を支援される機能で「近日」とだけ書かれています。YouTubeは代理店パートナーへのインセンティブに「数億ドル」を投じるとも述べており、取引の場をStudioの中に集める意思は明確です。

3. ショッピングアフィリエイト:130万人・13倍・35か国の読み方

数字が派手な系統です。登録クリエイターは130万人超、流通総額(GMV)は過去2年で13倍、ショッピングタグは説明欄のリンクの2倍超クリックされる。年内に35か国へ広がる予定で、2026年8月上旬の時点では英国を15番目として15か国でした。参加条件は2026年3月27日に登録者500人へ引き下げられています。

派手な数字ほど、母数を確かめます。13倍は絶対額が公開されておらず、2倍超のクリック差は方法が非公開の調査です。伸びていることは確かでも、自社の商材で何本売れるかの見積りには使えません。

日本の広告主に関わる部分を公式の日本語ブログで確認すると、アフィリエイトプログラム自体は日本で提供済みで、越境視聴者に現地の商品リンクを出す「ローカライズ商品リンク」は全世界で適用されます。一方で、特定の商品を紹介したクリエイターに限定コミッション率やボーナスを出す「アフィリエイトキャンペーン」は日本では未定、Amazonの商品タグ付けは米国で2026年8月27日に始まり、インドとブラジルへ「数週間以内」に広がる予定で、日本の記載はありません。日本の提携先としては、2026年2月に楽天市場が最初のパートナーとして始まり、10月初めにはYahoo!ショッピングも連携を始めたと報じられています。Amazon.co.jpとの連携は、年内の拡大の続報を待つ項目です。

4. Shorts Seriesとマイクロドラマ:縦型動画をTVで見る前提に変わる

Shorts Seriesは、Shortsをシーズンとエピソードに整理し、カスタムサムネイルを付けて連続再生させる機能で、2026年9月23日からWeb・モバイル・TVに順次提供されています。背景にある数字がマイクロドラマで、2026年上半期だけで累計65億回視聴、視聴時間は前年比50%超の伸び、TVでの視聴は90%超の伸びです。

縦型動画は、もうスマホだけのものではありません。

見る画面が変わる。TVで見られる前提になると、Shortsの作り方も変わります。スマホの縦画面なら読める小さなテロップは、リビングの大画面では中央に置かれた縦長の枠の中に収まるため、文字のサイズと、最初の2秒で何の商品か分かる構図が、これまで以上に視聴維持率を左右します。制作会社やクリエイターへの発注書に「TV視聴を想定」と1行足すだけでも、上がってくる動画は変わります。

広告主の実務に引き寄せると、商品の使い方や比較を1話完結ではなく連載にする企画が組めるようになり、連載であれば2話目以降の視聴者は1話目を見た人に絞られるため、同じ再生数でも中身の濃さが違います。AIで動画の制作本数を増やす方法は「AI動画広告の現在地」に書きましたが、本数が増えるほど、どの1本に広告費を乗せるかの判断が重くなります。

動画A/Bテストはそこに効く機能で、最大3カットの動画と3種のサムネイルを実際の視聴者で比較できます。ただし提供時期も、最低限必要なトラフィックの条件も公開されていません。ここでも「日付のない予定」の扱いです。

計測の観点で、1つ難しい点が残ります。クリエイター動画にブーストで広告費を乗せ、Shortsを連載化し、A/Bで勝った1本をさらに伸ばす。この流れが整うほど、クリエイター施策の成果と、自社のGoogle広告の他のキャンペーンの成果が同じアカウントの中で混ざります。ブースト経由のCVが増えたとき、それが動画の力なのか、同時期に走っていた検索広告の指名検索が拾っただけなのかを、両方を運用している本人が切り分けるのは難しい。施策を増やした人ほど、自分の施策に成果を寄せて読みたくなるからです。

※ クリエイター施策と既存の広告キャンペーンの成果が混ざり始めた方へ ― キャンペーン間で成果がどちらに寄っているかは、管理画面を閲覧できる権限さえあれば外からでも読み取れます。実際の診断レポートのサンプル(無料)を用意しています。

5. 日本の広告主がいま確かめること、契約に書いておくこと

2026年10月時点でできる確認は2つです。1つ目は、取引のあるクリエイターのYouTube Studioに「クリエイターパートナーシップ」のタブが出ているか。日本は20か国に含まれるので、出ていればアクセス共有コードとブーストが使えます。2つ目は、自社のGoogle広告アカウントで、ブーストの配信費が他のキャンペーンと区別して読める構成になっているか。キャンペーン名に「creator」などの識別子を入れる程度の工夫で、月次の集計が楽になります。

契約の面では、次回の発注から「公開後にアクセス共有コードを発行すること」を条件に入れておくと、数字の置き場所の問題が消えます。クリエイター側に不利な条件ではありません。YouTube自身が用意した仕組みなので、断る理由が立ちにくい。

ここまでは社内で片づく話です。片づきにくいのは、クリエイター施策に乗せた広告費が、自社のアカウント全体の中で妥当な配分になっているかの判定で、動画の手応えを知っている担当者ほど、その動画に予算を寄せる理由を見つけてしまいます。YouTubeが取引の場を抱え込むほど、その配分を、動画に思い入れのない人が月に一度読み直す意味は大きくなります。

※ 配分の採点だけを外に置く形を見てみたい方へ ― 月次のレポートで何がどう採点されるかは、実際の診断レポートのサンプル(無料)でご覧いただけます。

よくある質問

Q. Creator Partnershipsのブーストは、通常のYouTube広告と何が違いますか?

A. 配信の仕組みはGoogle広告の動画キャンペーンと同じで、違いは「誰のチャンネルの動画か」です。自社チャンネルの動画ではなく、クリエイターのチャンネルに投稿された提携動画をそのまま広告として配信するため、クリエイターの視聴者には普段どおりの動画として届きます。費用は自社の広告アカウントに計上されるので、他のキャンペーンとCPAで比べられます。

Q. 登録者の少ないクリエイターとの取引でも、この仕組みは使えますか?

A. アクセス共有とブーストはCreator Partnershipsの対象チャンネルで使える機能で、ショッピングアフィリエイトの参加条件は2026年3月27日に登録者500人へ引き下げられています。細かな要件は変わることがあるので、取引前にそのクリエイターのStudioで該当タブが出ているかを一緒に確認するのが早いです。登録者数より、提携動画の視聴維持率をコードで見られるかどうかのほうが、発注の判断材料としては重みがあります。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

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