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双眼鏡をのぞく人

競合の広告を調べる方法:Google広告の透明性センターとMetaの広告ライブラリの使い方、見える情報と見えない情報

アドサプリ運営チーム
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マーケティング戦略リスティング広告

競合の広告を調べる方法:Google広告の透明性センターとMetaの広告ライブラリの使い方、見える情報と見えない情報

アドサプリ運営チーム2026.10.16
双眼鏡をのぞく人

Google広告の透明性センター(adstransparency.google.com)とMetaの広告ライブラリ(facebook.com/ads/library)を使えば、競合がいま出している広告の文面・画像・掲載開始日を、無料で、アカウントなしで見られます。見えないのは費用、ターゲティング、成果の3つ。この線を知ったうえで使うと、競合調査は週30分で回る定点観測になります。

初心者がやりがちなのは、競合の広告を一度だけ眺めて「うちより派手だ」と感じて終わる使い方です。価値があるのは1回の閲覧ではなく、何が長く出続けているかの変化で、Metaの広告ライブラリでは一般の広告は配信中しか表示されないため、先週あった広告が今週消えていれば、その広告は止められたと分かります。Googleの透明性センターは期間を指定して過去の広告を遡れるので、競合が何か月同じ訴求を続けているかが読めます。

この記事の要点

  • 2つのツールはどちらも無料・ログイン不要。広告主名かサイトURLで検索する
  • 見えるのは広告の中身と掲載開始日、広告主の確認状況。見えないのは費用・ターゲティング・成果のこと
  • 読み方は「長く出続けている広告ほど効いている可能性が高い」。90日以上続く広告を競合の本命とみなす
  • 調べた結果は真似る材料ではなく、自社の広告文と構成を直す順番を決める材料

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1. 2つのツールで見えるもの、見えないもの

先に、2つのツールの違いを1枚にまとめます。どちらも「広告の透明性」のために媒体が公開している仕組みで、競合調査用に作られたものではありません。だから見える情報に偏りがあります。

項目 Google広告の透明性センター Metaの広告ライブラリ
検索の軸 広告主名、またはサイトのURL 国を選んでから、広告主名またはキーワード
絞り込み 期間、地域、形式(テキスト・画像・動画)、掲載面(検索・YouTube・ショッピング・マップ・Play) 言語、プラットフォーム、メディアタイプ、配信ステータス、日付別インプレッション。並べ替えは「新しい順」など
見える情報 広告の文面・画像・動画、広告主の正式名と所在地、確認済みかどうか、広告の総数 広告の中身、掲載開始日、配信プラットフォーム、複数バージョンの有無
遡れる期間 期間指定で過去の広告も表示(最後の表示から約1年分) 一般の広告は配信中のみ。政治・社会問題の広告は7年、EU向けは最後の表示から1年
見えない情報 費用、入札、キーワード、ターゲティング、表示回数やクリック数 一般広告の費用、ターゲティング、成果指標、配信終了した一般広告

共通して見えないのが、費用・ターゲティング・成果です。「競合は月いくら使っているか」「どのキーワードで出しているか」「どの広告が当たっているか」は、どちらのツールでも直接は分かりません。分かるのは中身と期間だけ。この制約の中で何が読めるかが、第3章の話になります。

ここは国で差が出ます。Google広告ポリシーヘルプ「広告の透明性」(2026年10月閲覧)によると、透明性センターの対象はGoogle検索・YouTubeなどで配信された広告で、特定の国や地域で配信された広告についてはターゲティングに関する情報や、広告が表示されたユーザー数も公開されるとあります。対象地域はヘルプに明記がなく、日本向けの広告で出ているかは実際に開いて確かめるのが早いです。Metaの広告ライブラリも同じ構造で、2023年8月にEUのデジタルサービス法(DSA)の適用が始まって以降、EU向けに配信された広告では、広告主が選んだ地域・年齢・性別のターゲティング、EU内の推定リーチ、広告の受益者と支払者が表示されます。

2. 手順。広告主名で引き、期間で絞り、保存する

Google広告の透明性センターの手順は3段階です。検索窓に競合の社名かサイトのURLを入れる。候補から広告主を選ぶ。地域を日本にして、期間と形式で絞る。社名検索で候補が複数出る場合は、所在地と「確認済み」の表示で本物を見分けます。広告主の身元確認を終えた広告主には正式名と所在地が表示され、終えていない広告主は支払いプロファイルの名前で「未確認」と出ます。なお2025年6月以降、広告主は表示される支払人の名前を自分で変えられるようになったので、見慣れない社名で出ている広告が実は競合、ということも起こります。URLで引くほうが取りこぼしは減ります。

Metaの広告ライブラリは、まず国を日本にし、広告カテゴリを「すべての広告」にしてから、競合のFacebookページ名で検索します。ページ名が分からなければキーワードで引き、出てきた広告の広告主をたどる。フィルターでプラットフォーム(Facebook、Instagramなど)とメディアタイプを絞り、並べ替えを「新しい順」にすると、直近に追加された広告から見られます。

保存の仕方が、1回で終わらせないコツです。スプレッドシートに1行1広告で、競合名・媒体・掲載開始日・見出し・訴求の種類(価格、実績、期間限定、比較など)・リンク先URLの6列を作り、週1回、新しく追加された広告だけを足していく。競合3社、各社20本前後なら、初回は2時間、2回目からは週30分です。

これだけで台帳ができます。

3. 読み方。長く出ている広告が、競合の本命

費用も成果も見えない中で唯一使える手がかりが、掲載期間です。広告主は効かない広告を止め、効く広告を残します。だからMetaの広告ライブラリで掲載開始日が90日以上前なのに配信中の広告は、その競合にとって成果が出ている可能性が高い広告と読めます。逆に、毎週新しいバージョンが追加されては消えている広告は、テスト中の訴求です。

Googleの透明性センターでは、期間を約1年前まで広げた結果と、直近30日の結果を見比べ、両方に出てくる訴求を探します。1年前から同じ「初回相談無料」を出し続けている競合は、その訴求で問い合わせが取れている、と推定できます。30日のほうにしかない訴求は、最近の仮説です。

読み取れるのは推定であって、事実ではありません。長く出ているのは単に担当者が放置しているだけ、ということもあります。それでも、自社の広告文を直す順番を決める材料としては十分で、競合3社が共通して90日以上出し続けている訴求があれば、その訴求軸で自社がどう見えるかを先に確認する価値があります。

見たあとに必ず確認してほしいのが、広告のリンク先です。広告文は似ていても、LP(広告のリンク先ページ)で価格を出している競合と出していない競合では、広告の役割が違います。価格を出す競合は、広告で絞って問い合わせの質を取りにいく設計。出さない競合は、まず問い合わせを集めて商談で説明する設計。自社がどちらの設計かを決めないまま広告文だけ寄せると、CTR(表示回数に対するクリックの割合)は上がっても問い合わせの質が落ちる、という事故が起きます。

4. 調べた結果で、自社の何を直すか

競合調査の出口は、真似ることではありません。差を見つけて、自社の直す順番を決めることです。順番は3つで、訴求の軸、広告の本数、そして指名検索の防衛です。

訴求の軸は、第2章で作った台帳で競合が長く出している訴求と、自社の広告文を並べれば決まります。競合3社とも「実績〇〇件」を90日以上出しているのに自社が「丁寧な対応」だけなら、実績の数字を出すか、出せないなら別の軸で勝負するかを決める。広告の本数は、競合がMetaで20本回しているのに自社が2本なら、クリエイティブのテスト量が10分の1という事実をまず受け止めるところからです。

反映の手順は4段階にします。①台帳で90日以上出ている競合の訴求を軸ごとに数える。②自社の検索広告の見出し15本と説明文4本を同じ軸で分類し、競合が厚いのに自社がゼロの軸を探す。③見出しを一度に全部は変えず、まず2〜3本を差し替えて14日見る。④LPの最初の画面に、広告で足した訴求と同じ語句があるかを確認する。順番は固定です。広告文だけ変えてLPが旧訴求のままだと、クリックした人が「違う話だ」と感じて戻る分だけ、CTRは上がってもCVR(クリックのうち問い合わせや購入などの成果に至った割合)は下がります。

3つ目の指名検索は、調査中に副産物として見つかることが多い項目です。透明性センターで競合の検索広告の見出しに自社名が入っていたら、競合が自社の指名キーワードに入札しています。対処は「競合が自社名で広告を出しているときの対処」に書いたとおりで、商標の申し立てと防衛出稿の判断に進みます。

ここまでが、管理画面の外で自分でできる作業です。手が止まるのはその先で、競合の広告を20本見て「自社の広告文が弱い」と感じたとき、本当に弱いのは広告文なのか、キャンペーンの構成なのか、入札なのか、LPなのかを切り分けるには、自社アカウントの内側の数字を競合の見え方と突き合わせる必要があります。CTRが競合より低く見えても、原因が広告文ではなく掲載順位の低さにあることは珍しくなく、その切り分けは、自分で組んだ構成を前提にしている本人には最も見えにくい作業です。

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5. 競合調査でやってはいけないこと

最後に注意点を3つ。1つは、競合の広告文や画像をそのまま使うことです。広告文にも画像にも著作権や商標が絡み、「参考にした」と「複製した」の境目はかなり手前にあります。訴求の軸を借りるのはよくても、文章と画像は自社で作る。

法的な線も押さえておきます。知財高裁の2015年11月10日の判決では、広告文「ある日突然、英語が口から飛び出した!」が他社に使われた事案で、短い広告文は表現の選択肢が少ないとして著作物性が否定されました(弁護士法人モノリス法律事務所の解説)。画像や長めの文章、ページ構成ごとの転用は別の判断になります。比較の形で使うなら景品表示法も関わり、消費者庁の「比較広告に関する景品表示法上の考え方」は、主張が客観的に実証されていること、数値や事実を正確かつ適正に引用すること、比較の方法が公正であることの3点を求めています(対象は一般消費者向けの表示)。競合の広告から拾った数字で「他社より安い」と書く前に、専門家の確認を推奨します。

もう1つは、競合の広告をクリックして回ることです。自社の検索で競合の広告を何度もクリックすれば、相手に費用を発生させる行為になり、媒体の無効クリック対策の対象にもなります。透明性センターと広告ライブラリは、広告をクリックせずに中身を見るための仕組みです。調べるならこちらで。

そして3つ目が、競合に合わせて自社の軸を失うことです。競合が「最安」を出し始めたからと追随すれば、価格競争に自分から入ることになります。競合調査は、相手に合わせるためではなく、相手と違う場所に立つためにやるものです。台帳を作り、長く出ている訴求を読み、自社の直す順番を決めるところまでは、週30分の作業として自分の手で続けられます。続けられないのは、その「直す順番」が自社アカウントの実態に照らして妥当かの判断で、競合の見え方と自社の内側の数字を同時に知っている人にしか下せません。外の情報は自分で集める。内と外の突き合わせは、自分の設定を前提にしない目に任せる。台帳は週30分で続きますが、台帳を読む目は自社の外にしか置けません。

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よくある質問

Q. 競合がどのキーワードで広告を出しているかは分かりますか?

A. 2つのツールでは分かりません。透明性センターで見えるのは広告の文面までで、入札しているキーワードは表示されません。推定するなら、検索広告の見出しに含まれる語句(「〇〇 比較」「〇〇 料金」など)から逆算するか、自社アカウントのオークション分析で、どのキーワード(広告グループ)で競合と同じオークションに出ているかを見るほうが確度は上がります。有料の競合分析ツールが出すキーワード一覧も推定値で、実際の入札リストとは一致しません。

Q. 透明性センターに自社の広告も出ていますが、消せますか?

A. 消せません。配信した広告は媒体の仕組みとして公開され、競合にも見えます。できるのは表示される広告主名を整えることで、Google広告では2025年6月以降、支払人として表示される名前を管理画面から変更できます。身元確認を済ませておけば「確認済み」の表示が付き、未確認のままより見る側の信頼は上がります。見られる前提で書いておけば、競合に読まれて困る広告文はそもそも残りません。

この記事の執筆者:アドサプリ運営チーム(運営:ライムクロス株式会社)。現役の広告運用者が、月次の広告アカウント診断「アドサプリ」を提供しています。

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